静岡県立農林環境専門職大学が農業技術学習サービス「AGRIs by JA」を導入2022年6月30日
JAや行政などへ持続可能な農業をつくるDXプラットフォームを提供するAGRI SMILEは、静岡県立農林環境専門職大学と同短期大学部へ、プロの栽培技術を動画で学べる「AGRIs by JA」の提供を7月から開始。「AGRIs by JA」は、4つのJAと運営する営農指導支援サービスで、教育機関への導入は今回が初めて。
同専門職大学は、高い技術と経営マインドを持つ農林業者を養成するため、基礎的な生産技術や、経営知識の習得やICT等の先端技術を取り入れた教育にも力を入れている。農業生産に関する技能・知識の習得は、教員によるほ場実習や座学での学習が中心だが、さらに高度な実践力を育むため、プロの生産者が実践している栽培体系に触れられ、学生が自分の興味関心に応じて幅広く自学できる環境の提供を検討していた。一方、同社は「AGRIs by JA」の運営協議会にオブザーバーとして参加するJA静岡中央会と教育現場への貢献を模索する中、専門職大学へ「AGRIs by JA」を紹介した。
「AGRIs by JA」では、静岡県内のJAとぴあ浜松をはじめ複数のJAがコンテンツを提供。地域農業の維持・発展に欠かせないJAの営農指導業務の支援ツールとして、2021年10月のサービス提供開始から、各地のJAで導入されている。専門職大学でも、現場の生きた情報を動画で分かりやすく学べる点が評価され、7月1日から学生と教職員合わせて約200人が利用する。
豊富なコンテンツで、現場で実際に行われている作業方法やノウハウを学べる「AGRIs by JA」は、プロの生産者への指導を担うJAの営農指導員が実演・解説する農業技術動画が700本以上掲載。65を超える作物の栽培法だけでなく、農機のメンテナンスやJA主催の講習会など、農業を営む上での基礎知識も掲載しており、現場の即戦力となる人材の育成に寄与することが期待される。学生はカリキュラムで扱っていない作物・栽培方法についても自主的に学べる。
また、農業技術には言語化しにくい内容が多いが、1〜2分の短い動画に要点がまとめられており、短い時間で直感的に伝えられ、学習効率の向上が見込まれる。webサービスを活用した情報収集に慣れている学生たちにとって、スキマ時間に繰り返し視聴できる動画学習ツールは、新しい学びの場となると考えられる。
サービスの導入にあたり、専門職大学 短期大学部 野菜担当講師の坂口良介氏は「実習で作業内容の予習・復習、本学にない作目について学ぶ場合など、簡単な操作で学生がいつでも繰り返し動画を視聴できることは、高い学習効果を得られると考えている。まずは、多くの学生の視聴を促し、将来的には独自の動画の掲載も考えていきたい」とコメント。また、JA静岡中央会 農政営農部の宮﨑智宏副部長は「JA営農指導員の確かな技術力が評価され、教育現場で採用されたことをたいへん嬉しく思う。『AGRIs by JA』は、農作業の勘所を、短編でわかりやすく伝える出来栄えとなっており、動画作成に参画した4JAのレベルが全国有数であることを物語っている。動画での学習を通じ、農作業の基本や営農指導員の仕事ぶりについての理解が広がり、一人でも多くの学生が、これからの農業分野の担い手として活躍してくれることを期待している」と話している。
重要な記事
最新の記事
-
【注意報】水稲の斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 山口県2025年7月8日
-
なぜ米がないのか? なぜ誰も怒らないのか? 令和の米騒動を考える2025年7月8日
-
2025参院選 各党に聞く「米・農政・JA」 【立憲民主党】「食農支払」で農地と農業者を守る 野田佳彦代表2025年7月8日
-
2025参院選 各党に聞く「米・農政・JA」 【自由民主党】別枠予算で農業を成長産業に 宮下一郎総合農林政策調査会長2025年7月8日
-
2025参院選 各党に聞く「米・農政・JA」 【日本共産党】価格保障・所得補償で家族農業守る 田村貴昭衆議院議員2025年7月8日
-
2025参院選 各党に聞く「米・農政・JA」 【れいわ新選組】農業予算倍増で所得補償・備蓄増を やはた愛議員2025年7月8日
-
【第46回農協人文化賞】集落と農地 地域の要 営農事業部門・広島市農協組合長、広島県農協中央会会長 吉川清二氏2025年7月8日
-
【第46回農協人文化賞】若者を育てる農協に 営農事業部門・北海道農協中央会前会長、常呂町農協前会長 小野寺俊幸氏2025年7月8日
-
小泉農相 随契米放出に「政策効果」 市場落ち着けば備蓄水準戻す2025年7月8日
-
トランプ政権の移民摘発 収穫できず腐る野菜「農家に大きな打撃」2025年7月8日
-
【第46回農協人文化賞】常に農協、農家のため 営農事業部門・全農鳥取県本部上席主管 尾崎博章氏2025年7月8日
-
150年間受渡し不履行がなかった堂島米市場【熊野孝文・米マーケット情報】2025年7月8日
-
2025参院選・各党の農政公約まとめ2025年7月8日
-
米価 6週連続低下 3600円台に2025年7月8日
-
【JA人事】JA秋田しんせい(秋田県)佐藤茂良組合長を再任(6月27日)2025年7月8日
-
【JA人事】JA北九(福岡県) 新組合長に織田孝文氏(6月27日)2025年7月8日
-
【JA人事】JAかながわ西湘(神奈川県)天野信一組合長を再任(6月26日)2025年7月8日
-
【JA人事】JAえひめ中央(愛媛県)新理事長に武市佳久氏(6月24日)2025年7月8日
-
宇都宮市に刈払機を寄贈 みずほの自然の森公園へ感謝と地域貢献の一環 JA全農とちぎ2025年7月8日
-
岡山の農業を楽しく学ぶ 夏休み特別企画「食の学校2025」 JA全農おかやま2025年7月8日