【注意報】水稲に斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 愛知県2022年7月19日
愛知県農業総合試験場環境基盤研究部病害虫防除室は、水稲に斑点米カメムシ類(イネカメムシ、カスミカメ類)が県内全域で多く発しするおそれがあるとして、7月15日に病害虫発生予察注意報第3号を発令した。
7月上旬の巡回調査における本田内の20回すくい取り調査(51地点101ほ場)で、イネカメムシの捕獲数は平均0.19頭(平年0.01頭、昨年0.05頭)と、過去10年と比較して最も多く、発生ほ場率は1.93%(平年0.86%、前年3.88%)と過去10年間と比較して2番目に高かった。イネカメムシは、県内全域(弥富市、一宮市、名古屋市、西尾市、豊田市、新城市及び豊橋市)のほ場で発生が確認された。
水稲ほ場(県内5か所)に設置した予察灯における斑点米カメムシ類成虫の6月第5半旬から第6半旬までの合計誘殺数は、弥富市で510頭(平年-頭、前年33頭)と前年と比較して多く(15.5倍)、豊川市で169頭(平年81.0頭、前年39頭)と過去10年間と比較して最も多かった。また、西尾市で143頭(平年44.2頭、前年17頭)と過去10年と比較して2番目に多かった。
主な種は、弥富市ではカスミカメ類(アカスジカスミカメ、アカヒゲホソミドリカスミカメ)、豊川市と西尾市ではカスミカメ類(アカスジカスミカメ)だった。
名古屋地方気象台が7月14日に発表した1か月予報によると、向こう1か月は、平年同様に晴れの日が多い。平均気温は、平年並または高い確率ともに40%と予想され、この虫の発生に好適な条件が続く。
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
(1)斑点米カメムシ類は水田周辺のイネ科雑草などで増殖するため、雑草の除去を徹底する。ただし、出穂間際または出穂後の除草は斑点米カメムシ類を水田に追い込むことになるため控える。やむを得ず除草を行う場合は、必ず薬剤防除を併せて実施する。
(2)水田内で穂をつけたヒエ類及びイヌホタルイは、斑点米カメムシ類の発生を助長するため除去する。
(3)周辺の水田よりも出穂が早いほ場では、斑点米カメムシ類が集中して飛来することがあるので特に注意する。また、前年にイネカメムシによる不稔粒が発生したほ場では、出穂前からほ場での発生状況に注意する。
(4)下表を参考に出穂時に薬剤防除を実施する。その後も発生が多い場合は、7~10日後に再度防除を行う。薬剤によって散布適期が異なるので注意する。
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