【注意報】水稲のアカヒゲホソミドリカスミカメ 高温経過で加害が活発化のおそれ 北海道2022年7月20日
北海道病害虫防除所は、全道で水稲のアカヒゲホソミドリカスミカメが多発しており、高温経過で加害が活発化のおそれがあるとして、7月15日に病害虫発生予察注意報第4号を発令した。
アカヒゲホソミドリカスミカメは、斑点米発生の主原因となるカメムシ。主に水稲の出穂以降に畦畔や雑草地などから第2回成虫が水田内に侵入し、その後、水田内で第2回成虫や第3回幼虫・成虫が籾を吸汁加害して斑点米を発生させる。
今年は、予察灯および予察田畦畔すくい取りにおける成虫の発生は、長沼町、比布町、北斗市いずれの地点においても平年より多く推移。水稲の生育は平年並に推移しているが、7月の高温経過により平年よりやや早く出穂期に到達する地域も現れると推測される。
また、札幌管区気象台発表の7月14 日付け1か月予報によると、7月中旬以降の気温は全道的に高い傾向で、降水量はほぼ平年並と予報。今後、水田内への侵入活動、水田内における加害活動ともに活発化することが危惧される。
以上のことから、基幹防除を適期に実施することは、例年に増して重要。基幹防除後も水田内のすくい取りやフェロモントラップによるモニタリングを励行し、適切な茎葉散布による追加防除が必要となる。
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
(1) 基幹防除に引き続き、以下のとおり発生モニタリングを行い、追加防除の要否を判断する。
①基幹防除に茎葉散布を実施した場合には、2回目散布の5~7日後に水田内のすくい取りを行う。20回振りあたりの捕獲頭数が「きたくりん」、「吟風」では3頭、「ゆめぴりか」、「きらら397」では2頭、「ななつぼし」、「ほしのゆめ」では1頭に達した場合に追加防除を実施する。その後も、上記水準を下回るまで、7~10 日間隔で同様の調査とその結果に基づいた追加防除を継続する。
②上記基準は、出穂7日後以降7日間ごとのフェロモントラップによる合計捕獲虫数(同一区域内に設置した複数トラップによる平均捕獲頭数)では、「きらら397」は2.2 頭、「ほしのゆめ」は1.2 頭に相当する。
③ジノテフラン液剤、エチプロール水和剤F、スルホキサフロル水和剤Fを使用し、基幹防除を出穂期7~10 日後の1回散布とした場合も、散布の5~7日後に水田内のすくい取りを行い、上記に準じて追加防除を実施する。
④基幹防除に水面施用を実施した場合には、出穂3週目にすくい取り調査を実施し、上記に準じて追加防除を実施する。
(2) 加害期間は水稲の黄熟期までで、その後の防除は不要。
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