【特殊報】トマトキバガ 県内で初めて発生を確認 新潟県2023年9月26日
新潟県病害虫防除所は、トマトキバガの発生を県内で初めて確認。これを受けて、9月25日に令和5年度病害虫発生予察特殊報第1号を発令した。
フェロモントラップで誘殺された成虫(写真提供:農林水産省横浜植物防疫所)
新潟県病害虫防除所によると、9月5日に横浜植物防疫所新潟支所敷地内に設置したトマトキバガの侵入調査用のフェロモントラップで誘殺されたガの成虫を横浜植物防疫所で同定したところ、新潟県では未発生のトマトキバガであることが9月7日に判明した(写真1)。現在のところ、県内において本種による農作物の被害は確認されていない。
同種は、国内では2021年10月に熊本県、同12月に宮崎県のトマトほ場で初めて確認されて以降、9月25日現在、新潟県を含め国内の24道県で確認されている。
成虫は、翅を閉じた静止時で体長5~7ミリ(前翅長約5ミリ、開張約10ミリ)。前翅は灰褐色の地色に黒色斑が散在し、後翅は一様に淡黒褐色。幼虫は、終齢で体長約8ミリで体色は淡緑色~淡赤白色。頭部は淡褐色で、前胸の背面後方に細い黒色横帯がある。
1年に複数の世代が発生し、繁殖力が高く、発生世代数は環境条件によって異なり、年に10~12世代発生する地域もある。卵~成虫になるまでの期間は24~38日程度で、気温が低い時期はさらに延びる。
成虫は夜行性で、日中は葉の間に隠れていることが多く、雌は一生のうちに平均約260個の卵を寄主植物の葉の裏面などに産み付ける。幼虫は1齢から4齢までの生育ステージがあり、土中や葉の表面で蛹化する。
トマト、なす、ピーマン、ばれいしょ等のナス科植物が主要な寄主植物で、マメ科のいんげんまめも寄主植物として確認されている。トマトでは、茎葉の内部に幼虫が潜り込んで食害し、孔道が形成される。葉の食害部分は表面のみ残して薄皮状になり、白~褐変した外観となる。果実では、幼虫がせん孔侵入して内部組織を食害するため、果実品質が著しく低下する。
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇ほ場内をよく見回り、見つけ次第捕殺する。
〇トマトキバガの発生が疑われた場合は、病害虫防除所に連絡する。
〇発生を拡大させないため、薬剤散布を行うとともに、被害葉や被害果実はほ場に放置せず、速やかに土中に深く埋設するか、ビニール袋などに入れて一定期間密閉し、寄生した成幼虫を全て死滅させ、適切に処分する。
〇現在、トマトキバガに対して登録のある薬剤はトマト、ミニトマトのみ(表1、2)。薬剤散布にあたっては、最新の農薬登録情報を確認し、薬剤抵抗性の発達を防ぐため系統が異なる薬剤のローテーション散布を行う。
重要な記事
最新の記事
-
事後的な需給調整が不可欠 セーフティネットは「適正価格+直接支払」 茨城大教授 西川邦夫氏(2)2025年7月17日
-
【注意報】早期・普通期水稲に穂吸汁性カメムシ類 県下全域で多発のおそれ 長崎県2025年7月17日
-
【注意報】水稲に斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 愛知県2025年7月17日
-
【注意報】斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 福島県2025年7月17日
-
【地域を診る】能登半島地震から1年半 地域の農林漁業と医療・福祉を軸にした地域再生の必要性 京都橘大学学長 岡田知弘氏2025年7月17日
-
造花が増加【花づくりの現場から 宇田明】第64回2025年7月17日
-
ナガイモの産地間競争と国際化【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第349回2025年7月17日
-
JA鹿本でジャンボスイカ品評会開催 最優秀は119キロの超特大果実2025年7月17日
-
鳴門市×おてつたび×JA里浦「半農半X」推進シェアハウス事業「なると金時編」開始2025年7月17日
-
農業ロボット開発のレグミンへ出資 AgVenture Lab2025年7月17日
-
北海道森林組合連合会のWEBメディア「森のしごと帖」スタート2025年7月17日
-
農薬散布BPOで熟練労働者の負担軽減 レグミンへ投資 ミライドア2025年7月17日
-
豆乳生産量 2025年度1~6月期107.4% 物価高でも市場拡大 日本豆乳協会2025年7月17日
-
農薬出荷数量は1.5%増、農薬出荷金額は4.0%増 2025年農薬年度5月末出荷実績 クロップライフジャパン2025年7月17日
-
未来のスマート農業へ ミライト・ワン・システムズ、日本マイクロソフトと協力 東京農大2025年7月17日
-
非加熱でフルーツの栄養まるごとチャージ ダブルプレスジュース「Vicca」新登場 青木フルーツ2025年7月17日
-
熱帯林の微生物は土壌のリン不足に「質より量」で勝負 森林総研2025年7月17日
-
長崎県壱岐市とエンゲージメントパートナー協定を締結 タイミー2025年7月17日
-
秋田県産トマト使用 限定バーガーを販売「モスの産直野菜フェスタ」秋田県で開催2025年7月17日
-
家庭用油脂製品など値上げ 9月1日納品分から J-オイルミルズ2025年7月17日