サトウキビの生産性改善 深植え栽培技術を国際農研との共同研究で開発 ヤンマーアグリ2025年3月3日
ヤンマーアグリは、国際農研との共同研究を通じ、サトウキビの生産性を改善しながら環境負荷を軽減する深植え栽培技術を確立。関連商品の販売を本格的に開始する。

図1:深植え栽培のイメージ
サトウキビの持続的な生産には、生産性が高く環境保全型である株出し栽培を長期間継続することが重要だが、株出し栽培では、収穫後に地下に残る株から再生してくる茎の発生深度が浅くなり収量の低下や継続回数の減少が課題となっていた。
そこで、干ばつが厳しいタイ東北部において、サトウキビの株出し栽培の収量や継続回数を増加させる深植え栽培技術を開発した。深植え栽培は、慣行植え付けの深さ(10~20cm程度)よりも深い約30cmの位置に植え付ける栽培方法(図1)。フィリピンでは、干ばつ年における安定生産への有効性を実証した。さらに耐倒伏性が向上することにより、台風被害の軽減等が期待されており、フィリピン農業省砂糖統制庁は、ブロックファーミングと呼ばれる小規模農家による集団的な農場経営を進めている。

フィリピンでの深植え試験圃場(2024年5月、国際農研提供)
ヤンマーアグリは、同研究開発の成果を受け、フィリピンにおいてブロックファーミングの農家にも最適なサトウキビの深植え栽培を実現する部分深耕機と深植プランターの本格販売を開始。日本においても沖縄県石垣島で本技術の導入に向けた実証試験を現地製糖工場と共同で実施している。
部分深耕機

深植プランター
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