ため池ベントナイトシート工法の設計手順・施工方法 解説マニュアル公開 農研機構2025年6月9日
農研機構は6月6日、神戸大学と共同で作成した「ため池ベントナイトシート工法設計・施工マニュアル」をウェブサイトで公開した。
ベントナイト系遮水シート敷設の様子
防災重点農業用ため池に係る防災工事等の推進に関する特別措置法の施行により、ため池改修工事が、全国で計画的かつ集中的に進められている。従来、改修工事では良質な土質材料を必要とする前刃金工法が採用されていたが、その調達が多くの地域で難しい状況にある。
そこで代替工法として、ベントナイト系遮水シートを堤体内に敷設するベントナイトシート工法の採用が増えているが、地区ごとに膨大な時間をかけて設計・施工方法が検討されており、統一的なマニュアルの整備が求められていた。
農研機構は、神戸大学と共同で既往の施工事例を収集し、実験等により本工法の耐震性を評価。農林水産省の指針に沿って設計、施工および維持管理方法等を統一化することで、各種ベントナイト系遮水シートを用い、全国で適用可能な「ため池ベントナイトシート工法設計・施工マニュアル」を公開した。
本工法断面図
同マニュアルは、共通編、設計編および施工編は次の通り構成されている。
【共通編】
・堤高が10m以下のため池への適用
・施設の供用期間内に1~2度発生する確率の地震(レベル1 地震動)を対象とする安定性評価
・用語解説
【設計編】
・ベントナイトシート系遮水シートに要求される特性
・ベントナイトシート系遮水シートの敷設位置等を決定する「安定計算方法」
・ベントナイトシート工法を用いたため池堤体の浸潤線の設定方法
【施工編】
・施工手順を写真や図を用いて詳細に解説
・施工管理基準に関するチェックシートや出来高管理基準、施工後の維持管理方法等
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