温暖化に強い「新大コシヒカリ」ドローンで直播 新潟大と燕市の実証に参画 マゼックス2025年7月17日
マゼックスは、新潟大学が開発した温暖化対応の水稲新品種「新大コシヒカリ」のコーティング種子を用いて、新潟県燕市で行われた直播に関する実証実験において、農業用ドローン「飛助15」および新型粒剤装置「VG-A」で協力した。この実証は、新潟大学と燕市が連携して実施したもので、地元農業法人および販売代理店の支援のもと進められた。
対象品種:「新大コシヒカリ」(べんがらモリブデンコーティング)
日本を代表する良食味品種「コシヒカリ」は、近年の地球温暖化により高温障害が頻発し、品質・収量の安定性に課題を抱えている。そこで新潟大学は、高温耐性と良食味を兼ね備えた新品種「新大コシヒカリ」を開発。猛暑下でも安定した収穫が見込まれるこの品種は、気候変動に対応する新たな選択肢として注目を集めている。
新品種の普及には、省力化・低コスト化など営農面の課題解決も不可欠となる。直播は、育苗や田植えといった工程を省略し、水田に直接種子(種籾)を播く革新的な栽培手法。苗づくりや田植えなど労働集約的な工程を省けることから、作業の省力化や労力ピークの分散につながり、気候変動や人手不足時代に適した水稲栽培モデルとして普及が進んでいる。

マゼックスはこうした流れを受け、燕市が主導する実証において、ドローンによる粒剤播種の実用性を検証するために販売代理店と連携して、現地での散布協力を実施。従来の農業用ドローンの粒剤装置では、種子のコーティングが剥がれる懸念があったが、マゼックスは新型粒剤散布装置「VG-A」を開発し、①電子制御による吐出量の精密制御、②攪拌機構の搭載による種子の詰まりを防止、③流路設計の見直しによる摩擦・衝撃の低減でコーティング保護の3点について技術的改良を施している。
今回の実証は、新潟大学による品種開発と地域連携のもとで進められる、次世代スマート稲作のモデルづくりの一環。今後は、秋の収穫に向けた生育状況を継続的に確認し、実用性・再現性の高い営農モデルの確立を目指す。
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