ソーラーポンプで揚水 ・カンキツの点滴灌漑に カンキツの点滴灌漑に2015年8月18日
太陽光発電を使った揚水システムで傾斜地カンキツ園の灌漑が容易に安くできる。農研機構が開発し、このほど発表した。
瀬戸内などの傾斜地カンキツ園では、従来のマルチ栽培に点滴灌水を組み合わせた「マルドリ方式」(マルチとドリップを組み合わせた造語)が普及している。
しかし、急傾斜地では一般に水源の位置が低く、ポンプアップに必要な電源がないという問題がある。
開発したシステムは小規模な太陽光発電システムと小型ポンプを組み合わせ、高所に設置したタンクに揚水。灌水しない時に長時間揚水を行い、自然圧力で一気に灌水する。またポンプの間欠運転を行いライフサイクルコストを低減することができる。
ソーラー発電は電力会社の電力を使った大規模なものや、街頭・交通標識など小規模なものは普及している。しかし農地で小規模な電気機器を使用した使いやすい独立系システムはほとんど商業ペースにのっていない。
同機構は、利用のための設計、設置および管理法をまとめマニュアル化した。必要な機器はほとんど市販製品で賄える。同機構のウェブサイトで公開している。

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