バラスト水の生物検査装置を新発売 サタケ2016年4月13日
サタケは、船のバラスト水中の生物個体数を簡単・迅速・高精度に推定する「バラスト水生物検査装置」の販売を、4月13日より開始した。
バラスト水は、船舶の安定性、復元性を保つための重しとして船底に蓄えられる水のことで、積荷が少ない場合は船内に取りいれ、積荷が多い場合は船外に排出される。
国際航路を運航する船舶のバラスト水については近年、有害水生生物や病原体が、本来の生息域外に運ばれ排出されることによる生態系への影響などの問題が、指摘されている。
そこで国際海事機関(IMO)は、2004年2月にバラスト水管理条約を採択し、バラスト水中の生物個体数について、排出基準を定めた。
バラスト水管理条約の発効要件は、30カ国以上の国が批准し、かつその合計商船船腹量が世界の全商船船腹量の35%以上となった日の12カ月後。2016年3月現在での批准国数は49カ国、商船船腹量は34.82%となっている。発効目前ということだ。
同条約の発効に伴い、寄港国検査を実施する各国官庁や船会社などで、「バラスト水生物検査装置」の需要が見込まれることから、サタケは同検査装置の開発に着手した。
2015年5月には独自に開発した分析手法が、IMO第68回海洋環境保護委員会で承認された。その後も製品化に取り組み「バラスト水生物検査装置」として、4月13日から販売を開始した。
同検査装置は、最小サイズが50マイクロメートル以上(Lサイズ)の生物個体数と、最小サイズが10マイクロメートル以上50マイクロメートル未満(Sサイズ)の生物個体数の両方を1台で推定できる。
サンプリングしたバラスト水に試薬を加え、装置にセットして開始ボタンを押すだけの簡単操作で、Lサイズ生物で約10分、Sサイズ生物で約30分で迅速に推定できる。コンパクト設計されており、持ち運びも容易だ。
同装置は4月13~15日の3日間、東京ビッグサイトで開催された「SEA JAPAN2016」に出展され、海事関係者から注目された。メーカー希望小売価格は250万円(税別)。海運会社や海事関係検査機関などへ、年間100台の販売を見込んでいる。
なお、同装置を無料で貸し出し、ユーザーに試用してもらう「無料モニターキャンペーン」を4月20日から実施する。貸出可能期間は最大3カ月だ。
同装置に関する問い合わせは、(株)サタケ産業システム部TEL:082-420-8558まで。
(写真)「バラスト水生物検査装置」
(関連記事)
・国際海事展にバラスト水生物検査装置を出展 サタケ (16.04.05)
・「高機能プラスチック展」に光選別機「ペレットソーターDS」を出展 サタケ (16.03.28)
・サタケ八重山ヤシ記念館 来館者が2万人を突破 (16.03.25)
・JA勝英の黒大豆枝豆選別出荷設備が竣工 サタケ (16.03.03)
・小型・低価格のフルカラー光選別機「ピカ選MASTER」 サタケ (15.11.20)
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
アメリカ・バースト【小松泰信・地方の眼力】2025年4月30日
-
【人事異動】農水省(5月1日付)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
備蓄米 第3回は10万t放出 落札率99%2025年4月30日
-
「美杉清流米」の田植え体験で生産者と消費者をつなぐ JA全農みえ2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
大阪万博「ウガンダ」パビリオンでバイオスティミュラント資材「スキーポン」紹介 米カリフォルニアで大規模実証試験も開始 アクプランタ2025年4月30日
-
農地マップやほ場管理に最適な後付け農機専用高機能ガイダンスシステムを販売 FAG2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日