ドローンとAIで農薬散布の自動化加速 バイエル2020年11月20日
バイエルクロップサイエンスは11月19日、同社が展開する精密農業の進捗状況や今後の取り組みについてオンライン説明会を開いた。人工知能AIを活用した農薬の散布時期の予測や散布の自動化などを提案し、日本の農業のデジタル化を推進する。
ハーラルト・プリンツ社長
バイエルクロップサイエンスは2018年11月に、ドローンを開発・販売するXAGとその日本法人XAIRCRAFT JAPANと国内市場におけるドローンを活用した共同事業開発の独占契約を締結。両社は生産者の要望に対応するオーダーメイドのソリューション開発を目的に、「ドローンビジネスプロジェクト」「ドローン農薬散布技術の共同開発」「デジタル農業の共同開発及びデータの相互補完」の3つのプロジェクトを展開している。
それぞれの強みを生かした新たなソリューション事業として、日本全国でドローンの飛行デモンストレーションや散布試験を行う中で、各作物ごとの散布パターンデータの蓄積と同時に、薬剤の適用拡大に取り組んでいる。今年度から測位に必要なRTK基地局の設置を開始。今後はより精密な散布に向けたRTK基地局の増設に向け、2023年には100基の設置を目標に日本の農地の90%をカバーする計画だ。さらにドローンへのSIMカードの搭載で簡便な農薬散布を目指す。
製品では2021年に、観測用ドローンと地上を自動航行する全自動無人散布機「R150」の販売を開始する。また、水稲除草剤の提案として、新コンセプトの水稲用除草剤の販売を2023年に予定している。
来年から病害虫や雑草をAIが診断するアプリも無償提供する。スマートフォンなどで雑草を撮影すると、AIが雑草を判別して必要な農薬が分かる仕組み。まずは水稲用雑草診断アプリから提供をはじめ、2022年以降は水稲用病害虫・畑作用雑草アプリを提供し、2023年以降は葉菜類・かんきつ害虫診断アプリの提供を開始する。
また、ドローンやアプリなどの情報はほ場ごとに記録し、これらの関連するデータを蓄積することで、将来的にそれぞれの土地と作物に適した農薬の提案も可能となる見込みだ。
オンラインで会見を行ったバイエルクロップサイエンスのハーラルト・プリンツ社長は「当社の中核事業である農薬に関わる薬剤散布のタイミングと正確性を高めるテクノロジーの探求にさらに力を入れ、日本の精密農業に貢献していきたい」と今後の抱負を語った。
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