下水汚泥資源の肥料への活用促進へ 全国5カ所で5月からモデル実証開始へ 農研機構2023年4月27日
ロシアのウクライナ侵攻などで肥料原料が高騰し、国内資源の活用が注目される中、農研機構は、「下水汚泥資源の活用促進モデル実証」として全国から応募のあった課題から5課題を採択し、5月以降、それぞれ現地で実証を始めることを明らかにした。
農研機構は、下水処理施設や農業集落排水施設から出される汚泥を原料としたコンポスト肥料などの活用を促進するため、費用対効果の高い肥料の生産方法の開発やその効果に関する現地実証を進めようと、「下水汚泥資源の活用促進モデル実証」の取り組みについて今年2月3日から3月13日まで募集し、全国から応募があった7課題のうち5課題を採択した。
下水汚泥をめぐっては、ウクライナ危機などで肥料原料の価格が高騰し、国内資源の肥料利用拡大が急務となる中、下水汚泥から再生したリンを活用した肥料をつくる取り組みが始まるなど、肥料に活用する取り組みが各地で活発化しつつある。
今回採択された5課題の代表機関は、農研機構からの委託を受けて、5月以降、事業にかかわる関係機関を集めたコンソーシアムを設立し、構成員の役割を分担して現地実証を進める。モデル実証の期間は令和7年度までで、実証の成果を報告し、広く普及の促進を目指す。
採択された5課題の実証課題と代表機関は以下の通り。
【コンポスト】
●下水汚泥資源活用による地域循環持続型農業実証プロジェクト ベジタリア株式会社(北海道岩見沢市)
●汚泥肥料の肥効特性の解明と肥効見える化システムの構築及び実証 農研機構農業環境研究部門(滋賀県高島市)
●焼酎粕と組み合わせた新下水汚泥肥料の安定生産技術の開発及び実証 農研機構九州沖縄農業研究センター(鹿児島市)
【回収リン】
●下水汚泥資源の活用促進に係る耕種農家の肥効ニーズにマッチした配合肥料等の開発と再生リン由来肥料で生産された農産物の付加価値向上試験の実証 神戸市
●下水汚泥資源の活用促進に係るMAP混合液肥の製造利用技術に関する実証 九州大学(大分県日田市)
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