「高効率もみ殻バイオ炭製造装置」JAぎふ方県CEで実証試験開始 ヤンマー2025年4月25日
NEDOとヤンマーエネルギーシステムおよびぎJAぎふは、「グリーンイノベーション基金事業/食料・農林水産業のCO₂等削減・吸収技術の開発」における第1号機となる、「高効率もみ殻バイオ炭製造装置」の実験機を岐阜県岐阜市のJAぎふ方県カントリーエレベーターに設置し、「高機能バイオ炭」のベースとなるバイオ炭の製造実証を開始。「高効率もみ殻バイオ炭製造装置」の研究開発により、バイオ炭の製造コストの大幅削減が期待され、製造されたバイオ炭は、全国50地区以上で実施する栽培試験など、同事業の研究開発で活用を予定。
高効率バイオ炭製造装置の実験機
同実証を行う高機能バイオ炭コンソーシアムは、イネもみ殻などの農業副産物を炭化し、土壌の炭素貯留に寄与するバイオ炭に土壌中の養分を肥料成分として作物に供給することや、作物の健全な生育を助長するなど微生物機能を付与して、農作物の収量を向上させる新しいバイオ炭資材「高機能バイオ炭」の開発に取り組んでいる。また、ヤンマーエネルギーシステムは、バイオ炭の製造コストを大幅に低減するため、「高効率もみ殻バイオ炭製造装置」の開発に取り組んでいる。
実証では、「高効率もみ殻バイオ炭製造装置」で生成したバイオ炭を使い、農作物の種類や地域の気象・立地条件が異なる地域で栽培試験を実施。その結果を農作物の単収向上効果と農地炭素貯留を同時に実現する栽培技術体系としてまとめ、全国普及を目指す。
もみ殻(左)とバイオ炭
バイオ炭の原料となるイネもみ殻は、JAのカントリーエレベーターなどでのもみ摺り工程で大量に発生する。バイオ炭による炭素貯留効果を最大限に活かし、2050年カーボンニュートラルを実現するためには、こうしたカントリーエレベーターの敷地内(オンサイト)で高効率にバイオ炭を製造することが望ましく、全国のJAとの連携が欠かせない。
JAぎふは「地消地産」を掲げ、消費者が求める農産物の作付提案と消費者に生産者の顔が見えるシステムづくりを目指している。これからの農業を生産者だけで守っていくことは難しく、地域で生産者と消費者を連携させるバリューチェーンの実現が必要であることから、JAぎふでは、環境と調和した持続可能な農業を実践する拠点である「有機の里(岐阜県岐阜市安食)」で、三つの機能(栽培研究・実証、生産者育成・栽培指導、消費者の理解醸成)を持たせた有機農業の生産・経営モデルの確立を目指している。
高機能バイオ炭コンソーシアムが目指すオンサイト(地域)での高効率なバイオ炭の製造・利用、農産物の環境価値の可視化と価値訴求は、JAぎふが推進する「地消地産」型の農業と目指す方向性が一致することから、JAぎふが2024年4月に新設した「みどり戦略部」とも連携。「有機の里」に隣接した方県カントリーエレベーターで同事業における高効率バイオ炭製造実証と有機の里でのバイオ炭の施用試験を実施する。
ヤンマーエネルギーシステムでは今後、24時間稼働で1時間当たり100kgのもみ殻から炭素残存率の高い30kgのバイオ炭を製造可能な高効率なバイオ炭製造技術を確立することで、バイオ炭製造コストの低減を目指す。具体的には1トン当たりの製造コスト目標を3万円とし、従来のヤンマーエネルギーシステムの自動化と省エネ技術に加え、同事業でバイオ炭製造時の歩留りを従来比120%とすることにより、通常のバイオ炭製造技術比で約40%のコスト低減を想定。
同実験機では、炉のピースを複数通り組み合わせることで、(1)もみ殻供給高さ、(2)二次空気供給高さ、(3)空気流量などの最適な操作変数を導き出す。
◎実証試験概要
実証期間:4月24日~2031年3月31日の6年間
実証場所:JAぎふ方県カントリーエレベーター(岐阜県岐阜市安食6丁目5)
コンソーシアムメンバー:株式会社ぐるなび、片倉コープアグリ株式会社、全国農業協同組合連合会、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)、ヤンマーエネルギーシステム株式会社
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