米国 国会議員らTPP復帰を要望2017年3月17日
自民党の西川公也農林・食料戦略調査会長(元自民党TPP対策委員長、元農相)と森山ひろし(示偏に谷)農林・食料戦略調査会常任顧問(前自民党TPP対策委員長、前農相)は3月2日から6日まで訪米し米国議会議員や元官僚、業界関係者などと通商問題をめぐって意見交換した。トランプ政権に対してTPPのメリットを訴え続けることが重要との認識が、関係者から示されたという。帰国後に概要が党農林関係会議で報告された。
西川、森山両氏は米国議会議員、フロマン前USTR代表やカーギル社の代表者らと意見交換した。
米国議会上院のパット・ロバーツ農業委員長は、TPPを支持するとしながらもトランプ大統領の離脱表明を受け、日本との間で代替案の交渉に着手することを期待した。それに対して両氏は日米間ではすでにTPP交渉で徹底的な議論を行っており、TPPを軌道に乗せたいことを指摘。二国間の話し合いの継続が必要との認識で一致したという。
ジェイソン・スミス下院議員(歳入委員会委員)に対して両氏はアジア・太平洋地域に公正な経済圏をつくるにはTPPが最善の方法であり、米国にとってもアジアの成長を取り込む最善の方法だと指摘、米国議会の一層の理解を求め、TPPの意義について認識を共有したという。
前USTR代表のフロマン氏(外交問題評議会特別研究員)は、米国のTPP復帰のためには日本や豪州など米国と緊密な国がTPPの重要性を訴えることはもちろんだが、業界が焦りを感じるよう米国以外の加盟国が米国に門戸を開放しつつ、TPPを先行実施することも有効ではないか、との認識を示したという。
また、二国間対話については、貿易収支改善に向けた具体的な取り組みがトランプ政権に対して有効ではないかとも指摘した。
前USTR次席代表代行のカトラー氏(アジア・ソサエティ政策研究所副所長)は、とくに農業分野については日本がこれ以上はない内容で合意した結果としてTPPがあり、トランプ政権がめざす方向性を実現するにはTPPが最善で、いずれ現政権が二国間交渉の難しさを理解することを期待したいとの認識を示したという。
全米商工会議所のオバビー上級副会頭らは、トランプ政権は二国間交渉を重視しているが、RCEP(東アジア地域包括的経済連携)など他の経済連携が進むことで、トランプ政権がTPPの重要性を理解するよう期待していることや、日米二国間の話し合いに向けて日本企業は同商工会議所の一員となって自己の貢献を訴えるべきなどと話した。
関係業界ではカーギル社のボウナー副会長らはTPP参加国や貿易企業などがトランプ政権に対してTPPのメリットを訴え続けることが重要でカーギル社はその仲間を増やすことに関与していくとの意向が示された。また、食肉業界のタイソン・フーズ社のペンリー副会長らは、二国間協定が困難であることに同意し、時間が経てばトランプ政権も自由貿易の方向でより成熟するだろうとの認識を示したという。
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