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JA総研叢書7 「農業構造変動の地域分析―2010年センサス分析と地域の実態調査」

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JA総研叢書7 「農業構造変動の地域分析―2010年センサス分析と地域の実態調査」
著者
安藤光義 編著
発行所
農山漁村文化協会(農文協)
発行日
2012年12月
定価
2940円(税込)
評者
梶井 功(東京農工大名誉教授)
 本書は「2010年センサス分析と地域の実態調査」というその副題が示す通り、10年センサス分析から出てきた農業構造の特徴的な変化を、その変化が典型的にみられる各地域の実態調査で確認することで「農業構造変動」の地域性を明らかにした労作である。

実態調査に基づく分析に説得力

 本書は「2010年センサス分析と地域の実態調査」というその副題が示す通り、10年センサス分析から出てきた農業構造の特徴的な変化を、その変化が典型的にみられる各地域の実態調査で確認することで「農業構造変動」の地域性を明らかにした労作である。序章「2010農林業センサスの分析視点」(安藤光義)に続き第1部として2章が置かれ、第1章「集落営農展開下での農業構造と担い手の地域性」(橘詰登)、第2章「2010年農業センサスにおける地域類型別の動向」(橋口卓也)で「日本農業全体の趨勢」が論じられる。
 3章以下が「各地域の動向」を分析した第2部を構成しており、第3章「北海道における構造変化と大規模農業生産法人の展開(菅原優、井上誠司)、第4章「東北水田農業の構造変動」(中村勝則、渡辺岳陽)、第5章「関東農業の構造変化」(安藤光義、竹島久美子)、第6章「北陸地域の農業構造変動」(小柴有理江、大仲克俊)、第7章「近畿地域の農業構造変動」(川崎訓昭、伊庭治彦)、第8章「中四国地域における農業構造変化の特徴」(松前一善)、第9章「九州地域での構造変化と担い手経営の実態」(山口和惠)が納められ、最後に「本書の要約」となる終章「2010年農林業センサスにみる農業構造の変化」(安藤光義)が置かれている。


◆統計数値の意味を解く

 センサスは5年毎に実施されているが、日本農業の構造を最も包括的に示してくれる調査であるだけに、センサスが発表されるたびに話題にされるが、10年センサスは常にも増して活発な論議を呼んでいる。05年対比11.2%という総農家数の減少・若年者の急減による農業就業人口の減少・老齢化(39歳以下44%減、75歳以上の割合31%)といった農業の衰退傾向の深化を考えさせる数字と、北海道は30ha、都府県は5haを境に下層ほど経営体の減少率が高く、上層ほど増加率が高い(北海道の0.3?5ha層22.5%減、100ha以上層28.7%増、都府県0.3?1ha層19.3%減、30ha以上層142.1%増)という多年政策が望んできた構造改善の進捗を考えさせる数字などが、同時に示されているからである。
 編者らが注目するのもこの点である。10年センサスの示すところを「日本農業の脆弱化が深化したとみるのか。それとも…農業構造再編が進展しているとみるのか」(15ページ)が問題だが、その判断にあたって重要となるのが集落営農の問題だ、と編者らはする。品目横断的経営安定対策(07年)の登場以来、対策の求める規模要件を充たすため集落営農が各地で組織されるが、その集落営農組織が「収穫した農産物の販売権(販売名義等)」を持っている場合、組織への参加農家は原則的に調査対象外(つまり非農家扱い)となる。が、形式上販売権は組織にあっても、実質的には変わらないという場合(枝番管理方式などといわれる)もあり、集落営農組織が経営体となっているかは簡単にはいえない。編者らが単なる統計分析だけでは不十分として実態調査を踏まえて判断しようとした所以である。
 「いずれにしても、集落営農の展開によって変化し始めたわが国の農業構造は、組織と同じように過渡的な状況にある。したがって今後、わが国の農業構造を展望する上で重要なのは、2010年センサスで新たに調査対象となった集落営農組織が、真の農業経営体へと発展し、地域農業の担い手として定着するかどうかを見極めることであり、この点はセンサス分析とあわせて詳細な実態調査を積み重ねて検討していく必要があろう」(55ページ)が編者らの結論である。
 15年センサスの検討も始まっている。集落営農組織を「構成する農家の概況がわかるような設問項目の追加」を評者も望む。

 

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