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"開国"農政への危惧

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著者
梶井功
発行所
筑波書房
発行日
2013年7月15日
定価
本体1200円+税
電話
03-3267-8599
評者
阿部長壽 / 元JAみやぎ登米代表理事組合長
 本書は『農業協同組合新聞』にシリーズで掲載されている「時論的随想 21世紀の農政にもの申す」がまとめられたものである。改めて日本の農業政策の本質と問題の所在を勉強させていただいた。政権によって農業政策の変わる実態を時事問題として捉え、その課題の解析には説得力がある。

国民のための農政を問う

◆「国民の政策選択」に全く反する

 アメリカ発の金融危機に始まった世界的な経済危機は、市場原理主義の破綻を顕在化し、それに追随政策をとってきた自民党政権が崩壊し、民主党への政権交代から本書は構成されている。
 民主党政権は国民生活を第一とする“国民主権”に基づく自立と共生社会政策を明示し、農業政策は「強靭で持続的な農業生産の体制を整備する必要があり、地域条件に合った多様な農業の共存が世界の食糧安全保障に必要である」として、食料自給率10年後50%目標の実現と農業者戸別所得補償政策を打ち出した。これに期待したが、“事業仕分け”によって曖昧になったことに“初心に戻れ”と警告している。
 さらに菅元総理は、所信表明演説で「第三の開国」として環太平洋戦略的パートナーシップ(TPP)協定交渉へ参加し、アジア太平洋自由貿易圏の構築を目指すことを突然に表明し、農業政策の方向を大転換した。経済財政諮問会議の“食糧の安全保障”は海外依存が近道、という見解は、食料の国内自給を求めている「国民の政策選択」に全く反すると指摘している。

◆「夢」でごまかす“倍増”宣言

 また「企業主導」による農業の規模拡大、6次産業化は、市場経済原理主義に基づく農業者の選別的改革への回帰であり、日本農業のあり方に問題提起している。
 JAは地域農業振興と6次産業化に主体的に取り組み、賀川豊彦が提唱した“多角形的立体農業”を目指すべきであり、家族経営農業主体の多様な地域農業を確立すべきであると提言している。
 民主党政権のTPP問題を引継ぎ再び政権に就いた自民党政権は、TPP参加について「前のめり」している。選挙で公約した“聖域なき関税撤廃”という条件を変えられる外交交渉能力があるか、ごまかしの「聖域」論は許されず、開国農政を危惧している。農業構造改革について、食料は「保護でなく徹底した国内農業の競争力強化による生産拡大に努めるべき」と改革の方向を示した。
 アベノミクスや輸出で農業・食糧関連産業の生産額を年率2%で成長させるとし、10年後には農業生産額は12兆円に増え、コスト削減と6次産業化利益の農村への還元で、現在3兆円の農業所得を6兆円にする、という所得倍増政策を宣言している。TPP参加で所得倍増はできるのか、「夢」でごまかす“倍増”宣言の監視農政が必要であるとしている。
 農業・農協運動の現場で家族経営農業を主体に、農地を守り環境を保全し、安全・安心な食料を生産し食糧は国内自給する、そのための農協運動に携わっている関係者の必読書である。

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