『特Aへの道&米の消費拡大方策』25年版
- 著者
- 一般財団法人 日本穀物検定協会 編
- 発行所
- 一般財団法人 日本穀物検定協会
- 発行日
- 2012年11月
- 定価
- 本体1800円+税
- 電話
- 03-3668-0911
- 評者
- 熊谷健一 / 農事組合法人「となん」組合長
日本穀物検定協会は、これまで42年間、全国の米の食味ランキングを発表してきた。同協会の20人の審査員が、「白さ」「香り」「味」「粘り」「硬さ」「総合評価」の6項目について審査している。
24年度は128の産地品種が出品され、「特A」が29産地品種あり、「A」が62品種、「標準」が37品種、「劣る」がゼロという好成績だった。また、地域別「特A」は北海道3品種、東北6品種、関東3品種、北陸7品種、東海1品種、近畿2品種、中国四国ゼロ、九州7品種であった。
米への愛情高め、消費拡大へ
同協会の長年の取り組みは、消費者と生産者が米への愛情を高めるとともに、日本全体の米の食味を向上させる効果があった。特に[1]従来の米どころである東北、北陸地方から北海道、九州で「特A」が完全にひろがった[2]温暖化に応じて、各県は高温に強い品種改良に努力していきた[3]近年、熊本県の「くまさんの力」、佐賀県の「さがびより」、福岡県の「元気づくし」、長崎県の「にこまる」大分県の「ヒノヒカリ」など、九州の米の評価が高まった[4]個人または地域限定だった「特A」が県下全域の取り組みになったなどの成果があった。
ただ、「特A」だけでは何の品目か分からない。消費者に馴染んでもらうには「米の食味『特A』」というように、米であることを表示すべきではないか。また消費拡大には、食味向上の取り組みと併せ、健康によい特別栽培米の面積拡大が大切である。
窒素と農薬を半分にした米は、人間の脳細胞を元気にさせると言われている。さらに味がよく、安全・安心な米であることを消費者にもっと知ってもらうには、百貨店や生協などで可能な対面販売や組織購買が効果的だ。JA女性部を含め生産者や消費者など健康に関心の高い女性の組織も活用したい。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(174)食料・農業・農村基本計画(16)食料自給率その他の食料安全保障の確保に関する目標2025年12月27日 -
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(91)ビスグアニジン【防除学習帖】第330回2025年12月27日 -
農薬の正しい使い方(64)生化学的選択性【今さら聞けない営農情報】第330回2025年12月27日 -
世界が認めたイタリア料理【イタリア通信】2025年12月27日 -
【特殊報】キュウリ黒点根腐病 県内で初めて確認 高知県2025年12月26日 -
【特殊報】ウメ、モモ、スモモにモモヒメヨコバイ 県内で初めて確認 高知県2025年12月26日 -
【注意報】トマト黄化葉巻病 冬春トマト栽培地域で多発のおそれ 熊本県2025年12月26日 -
【注意報】イチゴにハダニ類 県内全域で多発のおそれ 熊本県2025年12月26日 -
バイオマス発電使った大型植物工場行き詰まり 株式会社サラが民事再生 膨れるコスト、資金調達に課題2025年12月26日 -
農業予算250億円増 2兆2956億円 構造転換予算は倍増2025年12月26日 -
米政策の温故知新 価格や流通秩序化 確固たる仕組みを JA全中元専務 冨士重夫氏(1)2025年12月26日 -
米政策の温故知新 価格や流通秩序化 確固たる仕組みを JA全中元専務 冨士重夫氏(2)2025年12月26日 -
米卸「鳥取県食」に特別清算命令 競争激化に米価が追い打ち 負債6.5億円2025年12月26日 -
(467)戦略:テロワール化が全てではない...【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年12月26日 -
【スマート農業の風】(21)スマート農業を家族経営に生かす2025年12月26日 -
JAなめがたしおさい・バイウィルと連携協定を締結 JA三井リース2025年12月26日 -
「省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業」採択 高野冷凍・工場の省エネ対策を支援 JA三井リース2025年12月26日 -
日本の農畜水産物を世界へ 投資先の輸出企業を紹介 アグリビジネス投資育成2025年12月26日 -
石垣島で「生産」と「消費」から窒素負荷を見える化 国際農研×農研機構2025年12月26日 -
【幹部人事および関係会社人事】井関農機(1月1日付)2025年12月26日


































