チェンジ!認知症―もうひとりで悩まないで

- 著者
- 日本農業新聞「チェンジ!認知症」キャンペーン取材班
- 発行所
- こぶし書房
- 発行日
- 2014年4月30日
- 定価
- 本体900円+税
- 電話
- 03-3823-0524
- 評者
- 伊藤澄一 / 前JA全中常務理事
「認知症の今」を取材した本書は、日本農業新聞の3人の女性記者が全国に取材した連載記事をまとめたものだ。本人と家族、介護施設、JAと自治体など認知症にかかわる人々の切実な声がリアルに伝わってくる。認知症に関する書物は分野ごとの専門書のほか一般向けに書かれたものも数多いが、記者が現場取材から始めて、自ら学びながら「家族と地域の視点」で書いた本は少ない。
家族で抱え込まず
支え合う地域こそ
足で稼いだ記事だから分かりやすく、しかも女性記者ならではの感性が随所にみられる。
繰り返されるフレーズは早期発見・早期治療だ。健康な時から発見に努める。がん検診と同じである。早期に発見すれば進行を遅らせることができる。また、認知症はだれもが罹り得る病気であり、家族だけの負担とせず地域や介護保険制度などの助けを求める。認知症になっても過去の記憶や人生のプライドは失われていない。だれもが求める「安心」を認知症の人ほど必要としている、なども強調されている。
世界に類をみない超高齢社会の日本。厚労省は昨年、わが国には460万人の高齢認知症者と400万人の軽度の認知障害者がいると推計している。農村地域の高齢比率は国平均25%の倍近い。認知症対応も農村社会こそが直面している。人々のつながりが残されている農村社会で、この問題に立ち向かい健康寿命を延ばすかにかかっている。本書は、これらのテーマにも現場から対応策を指し示している。
日本農業新聞「女の階段」(4・29日付け)に79歳の女性が「(本書を)一気に読んだ。…心してページをめくった」と寄せている。組合員学習の教材として、座右の書として身近に置きたい一冊だ。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(159)-食料・農業・農村基本計画(1)-2025年9月13日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(76)【防除学習帖】第315回2025年9月13日
-
農薬の正しい使い方(49)【今さら聞けない営農情報】第315回2025年9月13日
-
【人事異動】JA全中(10月1日付)2025年9月12日
-
【注意報】野菜類、花き類、豆類にハスモンヨトウ 県内全域で多発のおそれ 兵庫県2025年9月12日
-
【注意報】果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 佐賀県2025年9月12日
-
【石破退陣に思う】農政も思い切りやってほしかった 立憲民主党農林漁業再生本部顧問・篠原孝衆議院議員2025年9月12日
-
【石破首相退陣に思う】破られた新しい政治への期待 国民民主党 舟山康江参議院議員2025年9月12日
-
【石破退陣に思う】農政でも「らしさ」出しきれず 衆議院農水委員会委員・やはた愛衆議院議員(れいわ新選組)2025年9月12日
-
ドローン映像解析とロボットトラクタで実証実験 労働時間削減と効率化を確認 JA帯広かわにし2025年9月12日
-
スマート農業の実践と課題を共有 音更町で研修会に150名参加2025年9月12日
-
【地域を診る】個性を生かした地域づくり 長野県栄村・高橋彦芳元村長の実践から学ぶ 京都橘大学学長 岡田知弘氏2025年9月12日
-
(452)「決定疲れ」の中での選択【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年9月12日
-
秋の味覚「やまが和栗」出荷開始 JA鹿本2025年9月12日
-
「令和7年台風第15号」農業経営収入保険の支払い期限を延長 NOSAI全国連2025年9月12日
-
成長軌道の豆乳市場「豆乳の日」前に説明会を実施 日本豆乳協会2025年9月12日
-
スマート農園を社会実装「品川ソーシャルイノベーションアクセラレーター」に採択 OYASAI2025年9月12日
-
ご当地チューハイ「寶CRAFT」<大阪泉北レモン>新発売 宝酒造2025年9月12日
-
「卵フェスin池袋2025」食べ放題チケット最終販売開始 日本たまごかけごはん研究所2025年9月12日
-
「日本酒イベントカレンダー 2025年9月版」発表 日本酒造組合中央会2025年9月12日