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減り続ける国産加工用米需要、その表と裏【熊野孝文・米マーケット情報】2021年6月8日

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5、6月は総会シーズンで、コメ業界団体も開催した。ただし、今年も昨年に続きコロナ禍で書面総会になってしまった。こうした時は総会資料を貰うしか手がないが、逆にじっくり読ませてもらうことになるので、それはそれで新しい発見がある。発見の中の一つにコメ加工食品業界の国産加工用米の使用量が毎年減り続けており、2年度は前年に比べ約半分になってしまった業界もあった。

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コメ加工食品業界団体の総会資料には、主原料であるコメのことが詳しく記されている。なかでも味噌業界の全国団体である全国味噌工業協同組合連合会(略称全味連)の総会資料には国産加工用米、特定米穀、MA米別に期間中の購入数量や価格動向が詳しく記されている。

▽MA米=2年度の組合買受数量は1万9600トン、対前年比90%。3年4月~6月長期販売分の価格はアメリカ米がトン12万2500円(前回比100円安)。タイ米9万3000円(同2700円高)で今年に入ってタイ米が値上がりしている。タイは旱魃により輸出量が大きく減少、値上がり要因になっている。

▽加工用米=2年度の加工用米使用量は5631トンで前年に比べ約半分の51.8%にまで減少した。3年産加工用米は水田リノベーションの補助金上乗せで価格が下がるとの報道もあるが、各再生協議会の加工用米への対応は様々で、個別相対取引ではメリットを受けていないケースが多いように見受けられる。

▽特定米穀=2年度の使用量は3万280トン、前年比94.4%。2年産は9月初めに全農新潟がキロ72円(前年比8円安)を提示したものの、発生が少ないとの見方から90円前後の取引が見られるようになった。地域別では東北関東で減少、西日本で多め。業務用米需要が低迷したこともあって下げ基調になった。

これで明らかなように味噌の原料米と言えば主力は特定米穀とMA米で、全体に占める国産加工用米の使用比率は7.8%に過ぎない。全味連は組合員に対して安定供給のために国産加工用米の契約を増やすように呼びかけているのだが、実態としてはそうなっていない。

もう一つコメ加工業界団体の総会資料から原料米の使用状況について紹介したい。コメ穀粉業界団体の全国穀類工業協同組合(略称全穀類)。穀類の使用原料米はもち米や米粉用米も含まれるため制度上の括りが複雑になっている。

▽もち米=2年産契約栽培もち米の全農販売価格は60キロ当たり前年比300円アップの1万4800円(山形ヒメノモチ1等、持込税別)。契約数量は前年比20%減の2000トン程度になったと見込まれる。

▽米粉用米=2年産米粉用米の認定数量は前年比19.3%増の3万3361トン。日本米粉協会において米粉のノングルテン認証、用途別基準の推奨、ノングルテン米粉を使用した加工品の登録、およびノングルテン米粉製造工程のJAS規格化が3年度中に開始される見込み。

▽MA米=MAうるち米の2年度(歴年)の組合経緯の購入数量は長期契約が9890トン(前年比73.8%)、月別契約が484トン(同126.0%)、合計1万374トン(同75.2%)。MA米全体の売却数量8万7718トンに占める穀類組合の購入比率は11.8%。MAもち米はタイもち精米の前年並みの1374トン購入。購入価格はトン当たり13万7000円から17万円で前年に比べ大幅に値上がりしている。

▽加工用米=2年産加工用米の契約数量はうるち米が2200トン、もち米が1900トン、合計4100トン程度で、元年産より900トン程度減少した。購入価格はうるち米が60キロ当たり1万円~1万500円、もち米は1万円~1万1800円。

味噌、米穀粉業界ともコロナ禍の影響で製品販売量が落ち込んでおり、原料米の使用量が減少しているが、その中でも国産加工用米の減少量が著しいのはなぜなのか? それは競合する特定米穀やMA米に比べ加工用米の価格が高いからである。精米1キロ換算では70円から80円高い。以前は、加工用米の販売価格は精米販売段階でA区分、B区分と言うものがあり、B区分の加工用精米はキロ130円で販売していた時代もあった。それが平成24年に廃止され、全国団体の扱いの加工用米は一本価格になってしまった。

では価格が高くなった分需要量が減って加工用米の生産量が減ってしまったのかと言うと、まったく逆で、平成25年から増え始め29年には約29万トンまで増大した。1本価格にして価格が高くなったにも関わらず増えたのである。その最大の要因は冷凍米飯など加工米飯向けに加工用米が仕向けられ、その数量は現在7万トンにもなっている。農水省は、冷凍米飯は「主食用ではない」と言う判断で加工用米の使用が増えているのだが、もともと冷凍米飯には一般米が使われており、それが加工用米に置き換わっただけの話なのだが、制度上はそれによって主食用米の生産が減ったことになっている。

本コラムの記事一覧は下記リンクよりご覧下さい。

(株)米穀新聞社記者・熊野孝文氏のコラム【米マーケット情報】

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