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(445)高等教育の"輸出"可能性【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年7月25日

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 日本製の自動車や機械部品は長年にわたり世界市場では高く評価されています。さらに近年ではマンガやアニメ、カラオケなど文化的コンテンツでも多くのファンを獲得しています。では、日本の「高等教育」は世界に通用する輸出商品になり得るのでしょうか。

 近年、日本にはアジア諸国を中心に多くの留学生が来日している。文科省によれば、2024年5月1日時点の外国人留学生数は336,708人、前年度比20.6%、57,434人の増である。

 一方、日本人学生で海外留学する学生数は89,179人(2023年度、(独)日本学生支援機構)である。コロナ禍を経て大きく増加しているが、外国人留学生の受け入れ数とは依然として大きな開きがある。

 今回のテーマは、個々の大学生の留学ではなく、「高等教育機関としての日本の大学が海外にどのように進出しているか」という点だ。企業であれば、海外進出は一般的な経営戦略のひとつである。駐在員だけの小規模なオフィスから、現地企業との合弁形態、さらに現地での生産工場の設立など、日本企業は様々な海外展開をすすめてきた。

 一方、日本の大学の海外展開は意外と知られていない。古い数字だが2004年当時の文科省の調査によると、海外拠点を持つ大学等の機関数は64、海外拠点数は170にのぼる。内容は、教育施設、研究施設、事務所、その他に分かれるが、注目したいのは「現地で教育の提供」がなされている拠点である。そのうち、「日本の学校教育制度に基づき、単位もしくは学位を授与する場合」が12、「所在国・地域における単位もしくは学位授与する場合」が16という数字がある。前者は全て私立大学であり、後者は私立大学11校、国立大学5校である。

 現在では日本の多くの大学が世界中の大学と提携し、日本国内からの短期留学プログラム用や留学生リクルーティングのため、海外オフィスを設置している。しかし、「現地で独自にキャンパスを所有し、入学から卒業まで学び、日本の学位を取得できる体制」を備えている大学は、非常に少ない。
 その1つが、2024年9月に開校した筑波大学マレーシア校であり、国立大学としての初の海外分校である。開校まで、多くの努力や苦難、調整があったことは想像に難くない。関係者の尽力には敬意を表したい。

 考えてみれば日本的経営や日本の製品が絶賛された時期が長期にわたったにもかかわらず、日本の高等教育システムが本格的に海外展開されてこなかった点は興味深い。その背景には、言語や文化・習慣だけでなく、教育制度の違いによる非互換性なども存在するであろう。

 一方、同じ教育でも初等教育における「塾」のような形態では事情は異なる。

「公文式」で知られる公文教育研究会は、現在62の国と地域に拡大し、全教科の合計学習者数は354万人、そのうち日本は133万人だが、海外は220万人と公表している。日本発の民間における教育システム輸出の大成功例と言えよう。教育内容と手法が比較的シンプルかつ反復学習中心のため成果測定が可能だからである。さらに、初等教育全般ではなく、特定の教科・学習法に関する部分輸出という形で学習技術に焦点を絞ったことも成功要因であろう。

 それにしても、中等教育や高等教育における日本型教育システムの「輸出」は、教育制度の違いという根本的な壁があり、相当の困難が伴う。だが、裏を返せば、本格的には開拓されていない分野でもある。

 日本の高等教育も、留学生を呼び込むだけでなく海外でのキャンパス展開という新領域へ踏み込み始めたのかもしれない。

* *

筑波大学の試みが今後のモデルケースとなることを祈る次第です。

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