【注意報】トマト、キュウリにタバココナジラミ 県内全域で多発のおそれ 神奈川県2025年7月25日
神奈川県農業技術センターは、トマト、キュウリにタバココナジラミが県内全域で多発のおそれがあるとして、7月9日に令和7年度病害虫発生予察注意報第2号を発表した。
図1:露地トマトにおける6月のタバココナジラミ寄生葉率(2015~2025年)と
図2:露地キュウリにおける6月のタバココナジラミ寄生葉率(2015~2025年)
神奈川県農業技術センターによると、6月の巡回調査で露地トマト・露地キュウリおよび露地ナスのタバココナジラミ寄生葉率が、5.2%(平年1.5%)、13.9%(平年3.0)、12.6%(平年3.3%)となり、露地トマトでは過去10年で2番目(図1)に多い。また、露地キュウリと露地ナスでは過去10年で最高となった(図2)。
5月の巡回調査において、冬春トマト及び冬春キュウリのタバココナジラミ寄生葉率が、9.1%(平年3.4%)、0.6%(平年0.1%)となり、冬春トマトでは過去10年で2番目(図3)。冬春キュウリでは過去10年で最高となった(図4)。
図3:冬春トマトにおける5月のタバココナジラミ寄生葉率(2015~2025 年)と
図4:冬春キュウリにおける5月のタバココナジラミ寄生葉率(2015~2025年)
気象庁が7月3日に発表した向こう1か月の気象予報では、気温が平年より高い予想。タバココナジラミの増殖に好適な条件が続くと考えられる。
同所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
(1)タバココナジラミは、トマトではトマト黄化葉巻病およびトマト黄化病のウイルスを、キュウリではキュウリ退緑黄化病のウイルスを媒介する。生育初期にウイルス病に感染すると被害が大きくなるため、育苗期からの防除を徹底する。
(2)抵抗性を発達させないために、同じ系統の薬剤は連用せず、異なる系統の薬剤をローテーション散布する。
(3)施設栽培終了後は、微小害虫の分散を防止するため、栽培終了後に7~10日以上施設の密閉・蒸し込みを行う。
(4)施設開口部(出入口、天窓等)には、目合い0.4mm以下の防虫ネットを展張し、害虫の侵入防止に努める。
(5)施設内外の雑草は害虫の発生・増殖源になるため、除草を徹底する。
(6)ウイルス病発病株は抜き取り、施設外に持ち出し、土中に埋めるなど適切に処分する。
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