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【農と杜の独り言】第2回 運動と全国連携 千葉大学客員教授・賀来宏和氏2025年7月25日

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前回は、国際園芸博覧会の歴史や、その対象領域が花き園芸のみならず、広く農業全般にわたることについてお話しました。

千葉大学大学院園芸学研究科客員教授・賀来宏和氏(2027年横浜国際園芸博覧会 GREEN×EXPO2027 農&園藝チーフコーディネーター)千葉大学大学院園芸学研究科客員教授・賀来宏和氏
(2027年横浜国際園芸博覧会 GREEN×EXPO2027 農&園藝チーフコーディネーター)

とかく博覧会事業が企画されると開催地ご当地での大きな興行的な催しと理解され、もっぱら目標とする来場者数の達成や事業の収支あるいは地元での経済波及効果などが話題となります。しかし、国際園芸博覧会とは政策的な運動です。もちろん、博覧会そのものの事業的成功は重要な要素ですが、それ以上に、掲げる理念に沿って、各々の企業や団体、あるいは、自治体、さらには生産者から愛好者に至るまでの個人の活動の成果を会場に持ち寄るとともに、全国各地での活動などに人々が関心を寄せ、会場やそれぞれの場での交歓、交流を通じて、その活動をさらに充実させることに大きな意義があります。

平成2(1990)年の国際園芸博覧会「国際花と緑の博覧会」(通称:「花の万博」)は、中曽根康弘総理大臣が提唱された「緑の三倍増構想」による多様な全国的政策の中の一環として開催されたものです。同博後、花や緑を身のまわりに飾る、いわゆる「ガーデニングブーム」が訪れ、また、企業、団体等による自然保護活動や森林活動などが盛んになったのは記憶に新しいところです。現在、全国200カ所以上の森づくり活動をされている公益財団法人ニッセイ緑の財団が設立されたのも、平成5(1993)年のことでした。

平成12(2000)年の「淡路花博」、平成16(2004)年の「浜名湖花博」は、それぞれ兵庫県、静岡県の主催でしたが、その全県にわたる政策の中で実施され、現在でもその活動は継承されています。「花の万博」を契機にその基本理念継承事業の一環として、財団法人(現在は、公益財団法人)日本花の会による団体、企業、個人等を対象とした「全国花のまちづくりコンクール」が始められましたが、兵庫県及び静岡県は、上位入賞の常連であり、静岡県に至っては、昨年、県内の団体と個人が農林水産大臣賞と国土交通大臣賞をそろってそれぞれ受賞するという快挙を成し遂げました。 

5月30日号の本紙でも述べましたが、この博覧会が構想された当初、欧州や中東での戦争も始まってはおりませんでした。第一線の農業者や学識者を除き、多くの国民にとって、「食」や「農」に対する漠然とした不安はあったものの、食料自給の必要性が現実のものとなり、そしてまた、今日の米騒動に至るとは思わなかったはずです。

令和9(2027)年に横浜市で開催される国際園芸博覧会は、実に37年ぶりの政府主催の国際園芸博覧会です。政府主催の事業ですので、その趣旨に沿って、全国的な運動を喚起する機会としたいものです。今こそ、国民がこぞって、日本人にとっての「農」や「農業」を振り返り、未来に向けて考えるべき時であり、また、この博覧会という旗印を使って、運動を喚起する契機ではないかと思います。

国際園芸博覧会とは、限られた会場の、限られた期間で実施するものではありません。その趣旨に沿って運動を喚起する場です。とするならば、農業者のこれまでの活動、もちろん、生産活動を中心として、社会貢献活動さらにはJAグループが唱える「国消国産」などの周知活動もあるのでしょうが、これらをまとめて、国民的関心を高める場として国際園芸博覧会を活用しない手はありません。

幸いにも、農林水産省と国土交通省が、横浜国際園芸博覧会に関して、全国的な活動を連携発信する「全国連携プログラム」登録制度を立ち上げました。国が所管する国営公園などを中心に、昨年度は既に全国で88件が登録されています。

一時は3000を超えたとされる農協ですが、現在でも500余の組合が活動をなされています。わが国伝統の「農」に係る相互扶助の精神に基づき、指導事業、集荷、販売、生産資材の経済事業や共済事業などが展開されていますが、恐らくどの組合も地域の人々に向けた「農」の体験教室やそれぞれの特徴を生かした展示会、農業祭などの社会的な発信事業を行っているはずです。

ぜひ、日本のすべてのJAの情報発信活動を「全国連携プログラム」に載せてほしいものです。全員の参加は運動の大きな力になります。

5月30日号の拙稿では、私自身の活動として、全国6千社を超える鎮守の森を巡っていることをお伝えしました。ある問題意識をもって巡っておりますが、その問題と今日の「農」の姿は同じ土俵にあるというのが実感です。いずれこの点は別に論ずるとして、こうした巡拝を自分の人生目標としている私としては、敢えて一つの提案をさせていただきたいと思います。

全国すべてのJAをつないで、「朱印帳」ならぬ「農印帳」をやりませんか。果たしてすべてのJAに直売所があるのかどうかわかりませんが、全国500余をつないで、「農」の大巡礼を行う。直売所で1000円にてスタンプとその特産品を少々つけていただく。全国の旅をする、各地の特産品を学ぶ、何よりも「農業」の第一線を感じる、また、新たな交流や商いが生まれる。こうしたことも本来の国際園芸博覧会の一つの形であろうと思います。

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