この夏の私的なできごと -東京の夏・「涼しい夏」の初体験-【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第354回2025年9月4日
長期にわたる本稿の休載、まずはお詫びをさせていただきたい。
実は8月初旬、左胸の激しい痛みに襲われ、呼吸も苦しくなり、救急車で隣町の病院に搬送され、緊急入院させられてしまった。肺気腫なる病気と肺炎とを併発したのだそうである。
「肺気腫」、始めて聞く名前だったが、Wikipediaによると、閉塞性肺疾患の一種で肺胞壁の破壊的変化をともなう疾患であり、「気道や終末細気管支から末梢にかけての含気区域が異常に拡大する病態を示し、中年以降の男性に多く発症し、過度の喫煙との関係が深いとする説がある」とのことである。私の若い頃の過度の喫煙、やめて二十数年になるのだが、これがいまだに悪さをしているということらしい。
早速、手術(と言っても針を入れるだけ、2回にわたって行われた)、その予後で入院は3週間にも及んでしまった。
これも自己責任なのだが、そんなことでJacomの編集部や読者の皆さん方に御迷惑をおかけしてしまったこと、本当に申し訳なく思っている。
ということで、この夏はまともな東京の暑さを初体験することなしに終わりそうだ。
真夏を体験する直前の入院、8月末に退院はしたものの、当面は外出不可能だからである。酸素吸入器・酸素ボンベを常時手元に置いていつでも使えるようにしておかなければならず、外出時にはその持参が必要、そんなことは一人ではできそうもないからである
それでもわが家(といっても老人ホームの3部屋だが)にはベランダ庭園がある、そこで春から育ててきた草花を愛でていればいいではないか、と思ったのだが、帰ってきたら、仙台から持って帰ってきた暑さに強いデンドロビュウムやシンビジュウム以外は全滅だった。一人で留守をしていた家内(私以上に老化が進んでいる)に水やりを期待するのは無理というもの、覚悟はしていたものの、真夏の「庭仕事」ができなくなってちょっとがっかりしてしまった。
それでも、入院後半には、週2回のリハビリ療養のとき車椅子に乗せてもらって病院職員の方に数分間屋外を散歩させてもらい、真夏の雰囲気を味わわせてもらった。そのときにはアブラゼミの声をたっぷり聞かせてもらった。
また、わが家(と言っても老人ホームだが)に帰ってきてからは、娘の車で一度だけ外出、しばらくぶりにくらくらするような真夏の日の光を浴びることができた。しかし、酸素不足になったときのために引きずって歩く酸素ボンベが煩わしく、散歩を楽しむことなどできなかったが。
さらに30日(土)の夜には、私の住まいの6階から見えるビルの谷間から、どこで打ち上げているのかわからない大輪の花火の片鱗が見え、ここでも瞬間的だが夏を感じさせてもらった。
ということで、今ようやくもとの暮らしに戻りつつあるのだが、酸素ボンベ持参の外出など付き添い人がいないと困難、私よりも体力の衰えている家内が付き添うなどいうこともできず、結局は施設に引きこもりということにならざるを得ない。これが淋しい。
でも、病院と違って飲酒は可能、退院したその夜から缶ビール一本の晩酌を楽しめるようになった。これがうれしい。
さらにうれしいことは、何とかこのコラムの執筆ができると思えるようになってきたことだ。
とは言っても私ももう90歳、気力・体力(とりわけ脳力)ともに衰えつつあり、もうそろそろ退き際かなとも思っているが。もちろん当面は、今回のように記事に穴を開けたりしないように勤めていきたいと思っている。
ということで今後ともよろしくお願いしたい。
この夏は「米不足」などの問題が引き起こされ、改めて米を始めとする食料・農業の重要性を感じさせてくれたが、考えてみたらこの夏はほとんど降雨を見ていない、何とかこの秋は豊年満作になるよう祈りつつ、おわびと本稿への復帰のご挨拶とさせていただく。
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