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【浜矩子が斬る! 日本経済】トランプ流企業統治改変の怪しさと日本への影響2025年9月19日

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ドナルド・トランプ大統領が、米国企業に四半期ベースの経営情報開示を止めるようにと呼びかけた。その意向を受けて、米証券取引委員会(SEC)がその方向での制度改正を進めようとしている。

エコノミスト 浜矩子氏エコノミスト 浜矩子氏

トランプ氏いわく、四半期ごとの情報開示は企業にとって煩わしい。カネも手間も暇もかかり過ぎた。目先の業績ばかり気にしていたのでは、長期的視野に立った経営戦略を練ることが出来ない。開示は半期ごとで十分。

この人にしては、珍しく良いことを言う。一瞬、そう考えたくなった。なんでもかんでも利益ファーストの観点から、米国企業を「メイク・アメリカ・グレイト・アゲイン」に協力させようとするのかと思いきや、もっとリラックスして良き経営を目指してはいかが。そう言っているのだとすれば、文句のつけようがないような気がしてくる。

だが、よくよくこのトランプ発言の背景に分け入ってみると、やっぱり、怪しげな空気が漂って来る。ポイントが二つある。その一が企業統治骨抜き化の懸念だ。その二が、トランプ氏自身による自身のための利益誘導の疑念である。

ポイントその一から行こう。今回の四半期報告から半期報告への移行方針は、それだけに止まらない。併せて、SECによる企業情報の開示に関する管理監督の緩和が打ち出されている。バイデン政権時代における企業統治強化方針をほごにしようとする意図がみられる。トランプ政権下で任命された現SEC委員長のポール・アトキンス氏が、この方向性を強調している。少しでも不備が判明したり、粉飾疑惑が生じたら、直ちに取り締まり対象とし、有無を言わさず罰金を徴収したり、告発対象とする。そのようなバイデン時代の企業統治の枷(かせ)から米国企業を解放する。どうも、それがトランプ・アトキンス組の狙いらしい。いきなり取り締まりに乗り出すのではなく、警告を発して再報告を促す。それが現体制の基本方針らしい。見ようによっては、上手い粉飾の仕方、逃げ切りの方策を授けてやろうという姿勢のように思える。

第二の利益誘導問題だ。SECの新体制が発足した後に、暗号資産大手企業に対して持ち上がっていた会計不正疑惑とそれらに対する審査が取り下げられた。それらの企業の中には、トランプ政権の発足に向けて巨額の寄付を納めた顔ぶれが含まれている。さらには、トランプ一族が暗号資産ビジネスへの投資に携わっている。トランプ氏自身が、アメリカを「暗号資産の世界的首都にする」と豪語している。しかも、「$トランプ」という得体の知れない暗号資産をトランプ氏が市場に投入してもいる。

こんな状況の中で、米国における企業統治のあり方が変更されて行く。これは何という世界なのか。そして、アメリカの企業統治がこのような形で揺さぶられて行くことが、日本の企業経営と政策制度にどのような影響を及ぼしていくのか。気掛かりだ。

くしくも、今年2025年は日本における「企業統治元年」の10周年の年にあたる。安倍政権下で打ち出された「コーポレート・ガバナンス・コード」と「スチュワードシップ・コード」の下で、日本企業は稼ぎ、もうけることで「日本再興戦略」に貢献しろと尻をたたかれた。その中で、即効的な収益アップによる「企業価値」の引き上げを求められた。そのプレッシャーに耐えかねて、粉飾決算で帳尻を合わせようとする企業行動も拡散した。そんな実情の中で、ドナルド・トランプがもくろむアメリカ企業統治の手前みそ的「改革」は何を引き起こすだろうか。

日本でも、暗号資産への関心が新たに燃え上がっている。企業情報の開示の在り方についても、金融庁が検討を進めている。そのような時に、アメリカで以上の何やら危うい企業統治異変がうごめき始めている。目を離すわけにはいかない。

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