金芽米の生産・販売量が大幅増伸 東洋ライス2014年7月8日
東洋ライス(株)(本社:東京都中央区、雑賀慶二社長)は7月4日、東京本社で平成26年3月期(第53期・平成25年4月1日?平成26年3月31日)決算を発表した。
第53期は、平成25年3月1日に前身である(株)東洋精米機製作所とトーヨーライス(株)が合併し、東洋ライス(株)が発足してから、実質的には最初の事業年度となる。
金芽米は、美味しさと健康効果が、消費者に広く認知され、コメ関連業界にさまざまな変革をもたらした。
平成26年1?4月の金芽米の生産量は1万8000t以上で、前年同月比の約5.5倍となった。日本の米消費量が減少を続ける中で、金芽米は生産・販売量を大きく伸ばしている。
平成26年3月期決算では、売上高は、(前年同期比19.5%増)の97億200万円、経常利益は(同28%増)14億1700万円、営業利益は10億8700万円、当期純利益は11億6300万円となった。
また前年度からの新事業として、同社所有の遊休地および遊休資金を活用した太陽光発電事業(総出力規模2.1MW)も各地で順調に設置・稼働が進み、当期は約2200万円の収入となった。今期は太陽光発電事業だけで年間1億円の収入を見込んでいる。
金芽米部門では、(株)タニタとのコラボ商品である「タニタ食堂の金芽米」、「タニタ食堂の金芽米ごはん」を中心に金芽米の生産量を大きく増加させた。
また、昨年11月には(株)プレナスが運営する「ほっともっと」「やよい軒」「MKレストラン」で金芽米が全面採用されたことで、全国での販路が拡大、金芽米ブランドの商標使用権も新たな収入源として加わった。
金芽米生産量の増加および高収益をもたらしたのは、昨年稼働した大阪府田尻町の「超高効率東洋ライスリンクウ工場」の果たした役割が大きい。同工場は製品歩留率が従来より高く、また工場人員が2名(通常の8分の1)、エネルギー消費率は従来の5分の2という低コスト化により、利益率向上に繋がった。
さらに(株)神明精米よりBG無洗米装置を含めた精米プラントすべてを受注したほか、大和産業(株)からBG無洗米装置の増設を受注するなど、BG無洗米加工部門、精米機器製造販売部門も堅調に推移した。
平成27年3月期の展望として、金芽米は、健康増進に貢献できる機能性食品でもあることから、今後は精米・ご飯以外の分野や加工原料としての販路拡大に向け、注力していく。また海外の富裕層需要開拓に向け、米国や東南アジアでの金芽米の取扱い拡大と定着を目指していく。
(写真)
東洋ライス雑賀慶二社長
(関連記事)
・金芽米でコメ農業活性化 生産量が5.5倍に(2014.06.04)
・和食で生活習慣病予防 金芽米の効果も報告(2014.04.17)
・金芽米消費量急増 前年比200%の伸び(2014.02.17)
・東洋ライス、子どもの農業体験で表彰(2014.02.05)
・「金芽米」沖縄で売れ行き急増 東洋ライス(2014.01.29)
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
アメリカ・バースト【小松泰信・地方の眼力】2025年4月30日
-
【人事異動】農水省(5月1日付)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
備蓄米 第3回は10万t放出 落札率99%2025年4月30日
-
「美杉清流米」の田植え体験で生産者と消費者をつなぐ JA全農みえ2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
大阪万博「ウガンダ」パビリオンでバイオスティミュラント資材「スキーポン」紹介 米カリフォルニアで大規模実証試験も開始 アクプランタ2025年4月30日
-
農地マップやほ場管理に最適な後付け農機専用高機能ガイダンスシステムを販売 FAG2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日