米価、市場動向を注視、「適正な価格で持続可能な生産めざす」山野 全中会長2025年3月7日
JA全中の山野徹会長は3月7日の定例会見で米の価格について「販売価格が上がり続けることを望んでいるわけではない」と話すとともに、コスト増加分を販売価格に反映させた「適正な価格形成のもとで持続可能な食料生産をめざす」と強調した。
山野徹会長
山野会長は生産資材価格の高騰を受け、2024年米は概算金を引き上げたことで「やっとこれで米生産を続けられる。今までは赤字経営で苦しかったという声が増えている」と生産現場の声を紹介するとともに、「一方で販売価格が上がり続けることを望んでいるわけではない。消費者が米を購入しづらい状況にあることに私自身、歯がゆい思いでいっぱいだ」と述べた。
また、「一部だが、生産者やJAが(米を)溜め込んでいるのでは。JAが金儲けのために中抜きしているのではないという心ない声も聞こえる。胸が締めつけられる思い」とも語った。
そのうえで「生産者は消費者に食べてもらえる喜びや誇りを感じながら毎年、自然と向き合い農作業に取り組み、今年も収穫できたと安堵している。将来にわたり安定して食料を届けることはJAグループ最大の使命」と強調し、各JAやJAグループ組織はそのため事業に邁進していると話した。
当面の対応として政府備蓄米売り渡しへの応札対応し、円滑な流通に努めるとともに、25年産の需要に応じた生産と、収穫期集荷対策について全農を中心に検討していくとした。
7日は全中の臨時総会も開かれ、会見のなかで2025年度事業、予算などが承認されたことを明らかにした。JA向けの事務システム開発に想定よりコストがかかったことで2025年度予算は36億円の赤字とした。山野会長はこれに伴うJA等の負担増は現時点では決まっていないと述べた。
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
アメリカ・バースト【小松泰信・地方の眼力】2025年4月30日
-
【人事異動】農水省(5月1日付)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
備蓄米 第3回は10万t放出 落札率99%2025年4月30日
-
「美杉清流米」の田植え体験で生産者と消費者をつなぐ JA全農みえ2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
大阪万博「ウガンダ」パビリオンでバイオスティミュラント資材「スキーポン」紹介 米カリフォルニアで大規模実証試験も開始 アクプランタ2025年4月30日
-
農地マップやほ場管理に最適な後付け農機専用高機能ガイダンスシステムを販売 FAG2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日