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【酪農乳業8団体需要拡大】脱粉過剰に危機感、業界挙げて"連携"2025年11月13日

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生処販の酪農乳業8団体は11月12日、初の業界挙げた国産牛乳・乳製品の需要拡大強化で会見した。背景には牛乳需要低迷と脱脂粉乳の在庫累増がある。今後、食品業界全体を視野にコラボし、着実な国産生乳需要の底上げを目指す。(農政ジャーナリスト・伊本克宜)

初の業界一体で「牛乳でスマイルプロジェクト」推進へ酪農乳業8団体が会見(12日、東京都内で)初の業界一体で「牛乳でスマイルプロジェクト」推進へ酪農乳業8団体が会見(12日、東京都内で)

■脱粉過剰在庫「このままではコロナ禍水準に」

酪農乳業8団体が12日、異例の共同会見に臨んだのは生乳需給緩和の深刻化からだ。

会見でJミルクの渡辺裕一郎専務が強調したのは、牛乳消費低迷に伴う脱粉過剰が積み上がり「このまま需要拡大の対応をしなければ、2025年度末の脱粉在庫が外食需要が縮小したコロナ禍に迫る8万4000トン超えになりかねない」との危機感だ。11月から牛乳不需要期に入り、加工向けが増える。年末年始の小・中学校の給食向け牛乳も休止となると、飲用需要が減る分、適切な加工処理ができなければ、処理不可能乳がでて最悪の場合に生乳廃棄という懸念もある。

同日の会見には、業界全体を束ねるJミルクのほか、中央酪農会議、日本乳業協会、JA全農酪農部、全酪連、系統の全国農協乳業協会、地方中小乳業の団体である全国乳業協同組合連、宅配牛乳などを担う販売店などで構成する全国牛乳流通改善協会の生処販の関係8団体が参加した。

■「牛乳でスマイル」15日にキックオフ

これまでばらばらだった酪農乳業界の需要拡大策を「牛乳でスマイルプロジェクト」の傘の下で、統一的に実需を伴う効果的な対応を取る。

週末の15日には、東京・豊洲を会場に同プロジェクトの新たな出発式とも言えるキックオフイベント「ミルクフェスin豊洲」を開き、8団体の会員による創意工夫ある催しを行う。全国47都道府県のご当地産の牛乳・ヨーグルトの飲み比べなどのイベントもある。

「牛乳でスマイルプロジェクト」共通ロゴなどを使用した8団体の国産牛乳・乳製品需要拡大の主な取り組みは以下の通り。

◎8団体需要拡大実効策
・Jミルク→健康価値でヨーグルト需要拡大
・中酪→消費者理解促進活動を強化
・日本乳業協会→「牛乳でスマイル」40社以上参加、異業種コラボ強化
・JA全農→通販サイト「JAタウン」で酪農家応援キャンペーン
・全酪連、全国農協乳業協会→若年層への理解促進強化
・全国乳業協同組合連→各自治体との連携、「土日ミルク」活動
・全国牛乳流通改善協会→全国の牛乳販売店で価値訴求、販促活動強化

■食品業界コラボで新規開拓

今回の需要拡大策の特色の一つが酪農乳業界にとどまらず、食品・飲料業界全体を視野に入れた牛乳を取り入れた需要拡大の取り組み、商品開発だ。

冬場を迎えミルクと親和性のある食品はシチュー、グラタン、スープの三つ。東京・豊洲のキックオフイベントのブースの一つではハウス食品が、牛乳たっぷりの「チャウダー」のクイズを行い、回答者には人気商品「北海道チャウダー」をプレゼントする。

大手乳業などで構成する乳協も同イベントで、日本スナック・シリアルフーズ協会とコラボ企画しブース出展やステージ企画などを実施。同日の会見でも、コーヒー大手チェーン・スターバックスとの酪農連携による資源循環社会の取り組みなどの質問もあった。
Jミルクでは、他業界とのコラボ促進を積極的に進めていく方針だ。

■需要拡大へ来春、全農新商品も

全農も異業種、業界内との積極的なコラボを通じ、牛乳の魅力を広め需要拡大に貢献していく。12月に全農が運営する産地直送通販サイト「JAタウン」で「酪農家応援キャンペーン」を展開。来春にも商品開発を通じ全国の産地や生産者を応援する「ニッポンエールプロジェクト」の一環で、乳飲料など国産生乳を使った新商品も検討中だ。

■酪農団体は戸数減に危機感

同日の会見では、酪農生産基盤維持の観点からの需要拡大策の重要性も唱えられた。

菊池淳志中酪専務は、1年前の受託酪農家戸数9960戸が今年11月時点で9453戸と約500戸減、年率5%超の割合で酪農家がやめていると危機感を示した。そのうえで、「生産基盤を守るためにも搾った生乳をしっかり販売できる環境づくりが欠かせない」と強調した。

生乳需要が低迷し脱粉在庫が10万トンを超えたコロナ禍では北海道を中心に2年間、生乳の生産調整、減産で離農拡大や、改正畜安法の流通自由化もあり非系統への出荷変更なども出た。こうした中で、持続的な酪農経営には「出口」対策の確保、需要拡大こそが欠かせない。菊池専務の発言はこうした背景を踏まえた。

■カギ握る機能性と免疫

需要拡大でカギを握るのが栄養価、機能性、健康面に強みを持つミルクの特性を生かした商品戦略だ。24年春先にヨーグルト、乳飲料などの消費が伸びたのも健康面でのPRが効いたと見られている。

特に今年はインフルエンザの流行から、免疫力の視点から科学的エビデンスに基づくヨーグルトの効能なども注目される。Jミルクでは今後、免疫力も含め機能性、健康面からの国産牛乳・乳製品の需要拡大にも力を入れていく。

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