全国畜産経営安定基金協会が総会2013年6月5日
全国畜産経営安定基金協会は6月4日、東京・大手町のJAビルで第37回通常総会を開いた。
同会は、畜産生産者を主な組合員とするJA・連合会などへの支援や損失補償を行っている。
24年度の長期平均払促進事業(※)は、会員数238会員、入会預かり金23億1790万円だった(ともに25年3月末)。JAの合併などによって会員数が前年に比べて4減り、それとともに入会預かり金も減少した。
損失補償契約は会員数45、契約額42億6000万円で、ともに前年に比べてやや減。このうち、実際に損失補償が行われたのは3件で、合計額は3029万円だった。件数はほぼ前年並みだったが、実行額は平均を上回った。これは3件のうちの1件が飼養頭数1800頭を越える大型生産者だったため。当該の生産者は、東北の稲ワラを利用した畜産経営を行っていたが、原発事故による被害で出荷が激減し、経営が行き詰まったという。これで、昭和53年以降の損失補償件数・実行額の累計は318件、22億6946万円となった。
畜産経営維持安定特別対策事業では、各都道府県の農業信用基金協会に対し32件、2億364万円の特別支援金を交付した。
25年度事業計画では、従来通り、長期平均払促進事業と畜産経営維持安定特別対策事業に取り組む。ただし、配合飼料価格の高騰、畜産需要の低迷などの不安要因があることなどから、畜産経営維持安定特別対策事業では、例年よりやや多い3億円の予算を計上した。
また、同会は公益社団法人への移行をめざしていたが、事業の一部に公益性が低いという指摘をうけたため、一般社団法人への移行をめざして準備をすすめていることが報告された。
(写真)
総会であいさつする萬歳章会長
◇
任期満了にともなう役員改選では、苅草洋雄理事が退任し、理事の人数が1人減った。
そのほか、萬歳章会長、長岡武副会長、木下明文専務理事、中山篤行常務理事を含む理事18人、監事3人は、すべて再任された。
【長期平均払促進事業】
生産資材や販売単価の変動によって畜産経営が不安定にならないよう、JAなどが生産者の出荷に対して仮払金を支払う仕組みを設けていることがある。この事業では、その仮払金に対する損失補償を行っている。
(関連記事)
・TPPで畜産は壊滅的打撃 中央畜産会(2013.03.27)
・香川・広野牧場など4件が最優秀賞 中央畜産会(2013.03.08)
・「お肉のファンを全国に増やしたい」食肉学校卒業式 (2013.03.04)
・「畜産物価格、大いに評価」 萬歳章・JA全中会長が談話(2013.01.28)
・全国畜産経営安定基金協会が総会(2012.06.06)
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日
-
キウイブラザーズ新CM「ラクに栄養アゲリシャス」篇公開 ゼスプリ2025年4月30日
-
インドの綿農家と子どもたちを支援「PEACE BY PEACE COTTON PROJECT」に協賛 日本生協連2025年4月30日
-
「日本の米育ち 平田牧場 三元豚」料理家とのコラボレシピを発表 生活クラブ2025年4月30日
-
「子実トウモロコシ生産・利活用の手引き(都府県向け)第2版」公開 農研機構2025年4月30日
-
「金芽ロウカット玄米」類似品に注意を呼びかけ 東洋ライス2025年4月30日
-
令和7年春の叙勲 JA山口中央会元会長・金子光夫氏、JAからつ組合長・堤武彦氏らが受章2025年4月29日