健康に豚が育つ快適環境に導くアルゴリズムの実証開始 Eco-Pork2021年5月13日
(株)Eco-Porkは、養豚経営管理システム「Porker」とIoTセンサーによる豚舎環境モニタリング「Porker-Sense-」を活用したデータ・アナリティクスの実証を開始する。
IoT豚舎環境モニタリング「Porker-Sense-」
取り組みでは、同社の養豚経営管理システム「Porker」とIoTセンサーを活用した豚舎環境モニタリング「Porker-Sense-」で取得した生産データと豚舎環境データを統合することで、より多くの健康な豚を飼育できる環境状態を導く第一歩として最適化アルゴリズムを構築する。
豚は温度・湿度など環境の変化に敏感で、環境ストレスによって、体調悪化に伴う病気の発症や繁殖能力障害など生産能力が低下しやすい。健康で快適に育つ環境を整備することは、生産効率を向上するために極めて重要だが、農場の立地や季節、豚舎の設備などにより変動し、時期別・農場ごとに適切な環境状態を定義することが困難となっている。
同社は、既存サービスで蓄積したデータを活用し、農場ごとに異なる「健康な豚を飼育するための環境」を導く汎化アルゴリズムを構築することで、養豚の収益性・生産効率向上を推進する。
同取り組みで活用する養豚経営管理システム「Porker」は、スマートフォンなどのモバイル端末を用いて農場現場でさまざまな記録を現場で入力し、繁殖成績・肥育成績の把握から経営分析まで可能なクラウド型システム。2018年9月から提供を始め、2020年に農林水産省「令和2年度スマート農業実証プロジェクト」でデータ活用型スマート養豚モデルの実証の要素技術として取り入れられた。記録作業の効率化やペーパレス化、正確な農場成績の見える化を支援し、年成長7.1%の生産頭数の向上に寄与。販売当初から経済産業省「サービス等生産性向上IT導入支援事業」にITツールとして毎年登録されている。
また、IoT豚舎環境モニタリング「Porker-Sense-」は、国内養豚で初となるLoRaWAN技術を活用したIoTセンサーと専用ゲートウェイにより、温度、湿度、熱量指数を計測し、リアルタイムに豚舎の環境状態をモニタリングできるサービス。豚の健康に異常があると、スマートフォンのプッシュ通知やメールなどでアラートが送られ、異常の早期検知・対応を支援する。また、専用ゲートウェイ1台に対してIoTセンサーは数百~数千デバイスの接続でき、送受信はどちらも可能。
実証の概要図
同サービスは、正式リリースから半年で累計150台のIoTセンサーを全国の養豚生産者が利用。「Porker」と連動することで、温湿度の記録業務を削減し、農場の生産成績と飼育環境を比較することで豚の死亡事故を防ぐなど、農場の経営的インパクトや環境面の改善・整備に寄与している。
利用者からはIoTセンサーがワイヤレスで省スペースが図れることや、高い防塵・防水性能を持ち、電源を繋げずに約5年間使える点、密閉度の高い豚舎でも十分に活用できることから、手軽にスタートできるIoT環境モニタリングサービスとして評価されている。
同取り組みで構築したアルゴリズムの汎用化と性能検証を全国で行うとともに、センシング範囲を拡大。アンモニア濃度、給水量と給餌量などのデータを取得し、農場ごとに最適な養豚の飼育方法・環境を確立する仕組みづくりを検討する。
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