家畜ふん尿由来液肥を効果的に散布 低コストなスラリーインジェクター開発 農研機構2024年5月16日
農研機構は、北海コーキ、北海道クボタと共同で、これまで主に草地、水田に表面散布されていたメタン発酵消化液や家畜ふん尿スラリー等の液肥を土中に施用でき、既存機械を活用することにより、低コストな2機種のスラリーインジェクターを開発した。
大型インジェクター(左:全体、右:土中施用ユニット)
同機は、液肥を土中に注入してアンモニアの揮散を抑制することにより、液肥中の窒素を有効利用できるだけでなく、施用時の臭気を軽減することも可能。同機の活用により、メタン発酵消化液や家畜ふん尿スラリー等の液肥について、周辺地域や環境に配慮しながら有効な肥料資源として循環利用を促進することが期待される。
化学肥料使用量低減や地域資源循環の観点から、メタン発酵消化液や家畜ふん尿スラリー等の液肥について、これまで利用が限定的であった畑作での利用を進める必要性が高まっている。この状況に対応するため、液肥施用後のアンモニア揮散を抑制することにより肥料効果を最大化し、施肥量の多い畑作に対応しながら、低コストで導入できる大型機と小型機の2機種のスラリーインジェクターを開発した。大型機は畜産農家が既に保有しているスラリータンカーに設置すること、小型機は既存の農地排水改良用全層心土破砕機をベースにすることにより、低コスト化を実現した。
同技術により、メタン発酵消化液や家畜ふん尿スラリー等の液肥を、地域内で肥料資源として有効活用することで循環利用を促進。みどりの食料システム戦略が目指す、地域資源循環の取組の推進、化学肥料使用量低減に貢献する。
小型インジェクター
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