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つながる力で未来をつくる 日本生協連の多村孝子常務執行役員が講演 協同組合懇話会が記念日の集い2026年3月30日

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協同組合懇話会は3月24日に第46回通常総会を開いて2026年度の活動方針などを決め、総会後の「協同組合記念日の集い」では日本生活協同組合連合会の多村孝子常務執行役員が記念講演を行った。

集いでは、土屋博代表委員(JA全中元常務)が協同組合の歴史や国際協同組合年の取り組み、昨今の世界情勢に触れ「協同組合が世界を結ぶために力を発揮するためには、協同組合の理念に基づいて組合員とともにできるところから取り組んでいく必要があり、協同組合を広く知ってもらうことが重要」とあいさつした。

続いて、多村孝子常務執行役員が「全国生協2030年ビジョン『つながる力で未来をつくる』の実現に向けて」をテーマに講演を行った。多村氏は1990年に生活協同組合コープこうべに入り、人事・教育部門や大型店舗の店長、さらには女性初の宅配センター長などを歴任。2025年6月から日本生協連で現職を務めている。

2030年ビジョンと第2期中期方針の振り返り

2030年ビジョン第3期中期方針(2026~29)の位置づけ

日本生協連は全国の会員生協とともに「2030年ビジョン」を掲げています。現在は、2025年度までの第2期「足場の強化」の最終盤にあたります。

宅配事業では「宅配リノベーション」を実践しています。かつては住宅地図を壁一面に貼り配送コースを検討していましたが、今はAIが最適なルートを算出します。しかし、効率のみを優先して時間を一方的に変更すれば、組合員様からお叱りを受けます。AIの力と組合員様とのコミュニケーション、この両輪で最適な配送体制を構築しています。また、事務所内ではスタンディングテーブルでの事務処理を導入するなど、業務効率化と質の向上を図っています。

店舗事業では、全国の生協が苦戦するなか、新規出店やリニューアルに挑戦しています。「ゆっくりレジ」などの高齢者に寄り添う対応や、JAとぴあ浜松の実践にも通じる「初めてのおつかい」体験などの食育活動を大切にしています。

若年層へのアプローチとしては、オンラインで加入・決済が完結する「トリコープ(TRI-COOP)」を開始し、すでに25生協で実績を得ました。また、お腹の中にいる時から申し込めるコープ共済や、誕生から小学校入学までを支える「100カ月コープ」など、事業と共済が一体となった支援を強化しています。

福祉分野では「全国コープ福祉事業連帯機構」を軸に、自立支援を促す「生協10の基本ケア」を推進しています。平和活動では、被爆80年を機に「私の平和宣言」を発信しました。広島では、全国から寄せられた1000万円を超える募金により、被爆者が描いた当時の惨状を街角に伝える「原爆の絵碑」を完成させることができました。

能登支援については、震災発生から2年が経過し、被災地の組合員を招待する「つな能登旅」や、ボランティア団体への助成を継続しています。多村氏は先日、穴水町での募金贈呈式に伺い、未だ土砂やがれきが残る現状を目の当たりにされました。「忘れられるのが一番困る」という現地の声を受け、支援から共創への決意を新たにしています。

2030年以降を見据えた情勢変化

生協を取り巻く環境は極めて深刻です。食品小売シェアは2024年度に4.9%まで低下し、ドラッグストアや低価格スーパーとの競争が激化しています。強みであった冷凍食品のシェア減少も急務の課題です。

また、買い物困難地域の拡大や社会的孤立、生協自身の基礎組織である「班」や組合員数の減少という構造的な危機に直面しています。職員構成も中高層に偏り、労働力供給が制約される社会の中で、いかに事業を継続していくかが問われています。

第3期中期方針(2026~30年度)への展望

2030年ビジョン第3期中期方針(案)「3つの基盤と未来への使命」

これらを踏まえ、2026年度からの第3期では「確かな基盤を築き、飛躍に向けて加速」することを掲げています。

事業基盤の立て直しでは、ターゲット別MD(商品計画)を強化し、新規利用を「広げる」ことと、既存利用を「深める」ことを徹底します。データドリブン経営により、一人ひとりに最適な情報提供を行います。また、人的基盤の強化では、AI・DXによる生産性向上はもちろん、専門人材の共有化や理念学習を通じ、職員の定着と「生協で働く意味」の再定義を図ります。

環境・サステナビリティの面では、温室効果ガス排出量の算出、人権デューデリジェンス、エシカル消費の普及、そして食品ロス削減を目指す「てまえどり」運動などを推進します。

日本生協連75周年のチャレンジ

2026年の創立75周年に向け、若者団体「NO YOUTH NO JAPAN」や「NO NUKES Tokyo」と連携し、渋谷のコーププラザを若者の活動拠点として開放します。彼らの発信力を活かし、生協の価値を次世代へ伝えていく試みです。また、地域課題をビジネスの手法で解決する「地域共創実践塾」を立ち上げ、奈良等の成功モデルを全国で創出していく方針です。

全国の生協は日本最大の消費者組織として、幾多の困難を「つながる力」で乗り越えてきました。2030年のゴール、そしてその先の未来に向け、「つながる力で未来をつくる」を合言葉に、全国の仲間とともに蒔いてきた種を大切に育て、大きな花を咲かせていきます。

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