「株式会社化」検討で委員会設置 JA全農2014年8月27日
JA全農は、政府の「農林水産業・地域の活力創造プラン」で示された農協改革案で、全農・経済連について「農協出資の株式会社に転換することを可能とする」ことへの対応として、「株式会社化の現実性の検証および系統経済事業の現状・課題・将来方向などを審議する」総合運営委員会を設置することを、8月26日に開催された第7回経営管理委員会で決めた。
◆米・園芸・肥料で事業モデル検討
この総合運営委員会で審議する事項は、
[1]全農・経済連の農協出資による株式会社化について、[2]将来的な事業モデルの検討方向、の2つだ。
[1]については、「農協出資による株式会社化」の現実性、独禁法適用除外措置が外れることによる影響など、事業上の観点から課題を検証し、株式会社化の是非について審議する。
[2]については、JAの営農経済事業の強化が求められていることから、販売力強化の観点で米穀事業と園芸事業、生産資材コスト低減の観点で肥料事業について、将来あるべき事業モデルの検討方向について審議する。この3事業がピックアップされたのは、独禁法との関係だという。
◆15人で9月から
委員会は、第16期系統経済事業委員(米穀、園芸農産、畜産、生産資材、生活の5事業員会)から農協委員10人、経済連常勤役員から学識経験者3人、全農経営管理委員会会長および代表理事理事長の15人(委員名は別掲)。
委員会は、全農会長が招集し、進行も会長が務めることになっている。委員の任期は、26年9月1日から審議事項の取りまとめを行うまでとなっている。
なお、この委員会での審議結果については、JA全中の「総合審議会」などの議論に反映していくことにしている。
第1回の委員会は、9月5日15時から開催される予定だ。
【総合運営委員会委員】(カッコ内は第16期系統経済事業委員会。敬称略)
▽板谷重徳 北海道・JAひがしかわ会長理事(米穀)
▽高橋勉 岩手・JAいわて花巻代表理事副組合長(生活)
▽高谷尚市 山形・JAみちのく村山代表理事組合長(生産資材)
▽川嶋寛 栃木・JAなすの代表理事組合長(畜産)
▽伊藤茂 長野・JA松本ハイランド代表理事組合長(園芸農産)
▽今井長司 新潟・JA柏崎経営管理委員会会長(生活)
▽森紘一 兵庫・JAあわじ島代表理事組合長(園芸農産)
▽水津俊男 山口・JAあぶらんど萩代表理事組合長(生産資材)
▽大塚和徳 福岡・JA福岡嘉穂代表理事組合長(米穀)
▽河野康弘 宮崎・JA尾鈴代表理事組合長(畜産)
▽高嶋敏美 ホクレン代表理事専務
▽権田博康 JAあいち経済連代表理事常務
▽桐良幸 JA鹿児島県経済連代表理事専務
▽中野吉實 全農経営管理委員会会長
▽成清一臣 全農代表理事理事長
(関連記事)
・新たな農政運動のため委員会設置全国農政連(2014.08.22)
・【コラム・目明き千人】規制改革会議とは別な世界もある(2014.08.21)
・自己改革に向け総審で検討スタート JA全中(2014.08.18)
・(87)「生活基本構想」の先見性に学ぶ(2014.08.08)
・【農業改革、その狙いと背景】暮らしに向けられる規制改革「ドリルの刃」 増田佳昭・滋賀県立大学教授(2014.08.08)
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
アメリカ・バースト【小松泰信・地方の眼力】2025年4月30日
-
【人事異動】農水省(5月1日付)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
備蓄米 第3回は10万t放出 落札率99%2025年4月30日
-
「美杉清流米」の田植え体験で生産者と消費者をつなぐ JA全農みえ2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
大阪万博「ウガンダ」パビリオンでバイオスティミュラント資材「スキーポン」紹介 米カリフォルニアで大規模実証試験も開始 アクプランタ2025年4月30日
-
農地マップやほ場管理に最適な後付け農機専用高機能ガイダンスシステムを販売 FAG2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日