600人が与党と対話集会 米の生産調整「30年問題」で2017年11月23日
JA全中は11月22日、東京都内で「30年産からの生産調整の見直しに向けた政府与党との対話集会」を開いた。全国のJA、農業関係者など約600人が集まり、平成30年産以降の米需給および価格の安定に向けて取り組むよう、29年度補正予算への対応も含めて与党議員に強く要請した。
対話集会ではJA全中の中家徹会長が、JAグループや国の努力によって、29年産米の価格が回復基調にあるとして、「この歩みを止めることのないようにしたい。それには国の支援が必要だ。われわれがとりまとめた、30年産以降の水田農業政策にかかる重点政策提案、および現場の声をよく聞き、JAグループと共通認識を持って取り組むことが重要だ」と、対話集会の意義を強調した。
来賓で出席した自民党の塩谷立・農林・食料戦略調査会長は「TPP大綱、税制改革など農政課題は多くあるが、一番の課題は米問題と考えている。生産現場に立ってしっかり対処したい。3年間過剰作付け対策に取り組んできたが、この流れをいかに続けるかが大事だ。予算措置も含め、情報を伝えながら、安定供給にむけて責任を持って取り組む」と述べた。
また、公明党の石田祝稔・政務調査会長は「交付金の7500円がなくなる分は米の世界で使うべきだと考えている。米政策への恒久的予算措置は今回の総選挙でも掲げた。30年度の予算がその正念場になる」と、予算対策の必要性を強調した。
JAグループの重点政策提案ではJA全中の田波俊明・水田農業対策委員会委員長が説明。(1)需要に応じた生産に取り組む生産者の万全な所得確保、(2)需要に応じた生産の実現に向けた全国組織の設置等、(3)収入減少影響緩和対策の継続等、(4)将来にわたって安定的な水田農業を後押しする取り組みについて提案し、確実な実現を求めた。
この後、自民党の宮越光寛・農業基本政策検討委員会参与、公明党の佐藤英道・農林水産部会長を交えたパネルディスカッションを行なった。
(写真)米の生産調整について政府与党と「対話集会」
(関連記事)
・米で万全の所得確保を 水田農業政策でJAグループが提案(17.11.13)
・米消費拡大と健康増進で包括連携協定を締結 JAおおいがわ・東洋ライス(17.11.10)
・「地域」をブランドに 自然条件活かし少量多品目産地化【JA信州うえだ(長野県)】(前半)(17.11.09)
・30年産の価格が分かる「コメ先物市場」(17.11.06)
・田畑価格 26年連続下落 (一財)日本不動産研究所(17.10.31)
・緊急調査・29年産米の作柄見込みと30年産米の課題(17.09.25)
重要な記事
最新の記事
-
【特殊報】チュウゴクアミガサハゴロモ 県内で初めて確認 栃木県2025年8月20日
-
【特殊報】チュウゴクアミガサハゴロモ 県内で初めて確認 香川県2025年8月20日
-
【浜矩子が斬る! 日本経済】暗号資産危機に日本はどう対応するつもりなのか 怪しげな仮想空間憂う2025年8月20日
-
富富富2万6800円、コシヒカリ2万6000円に 「精米5kg3000円台で買えるように」 全農とやま2025年8月20日
-
コシヒカリ2.6万円 全農あおもり、概算金の目安示す 「リスク取って集荷」2025年8月20日
-
魚沼産コシヒカリ3万2500円 全農にいがた、概算金決める 背景に作柄不安と集荷競争2025年8月20日
-
随契米 販売期間を延長 10万t未引渡し 農水省2025年8月20日
-
ぞうさん♪ぞうさん♪本当に作れるの?【小松泰信・地方の眼力】2025年8月20日
-
サザエさん一家の「もりのわ」話 吹き出しコンテスト 受賞作品決定 農水省2025年8月20日
-
「8月29日は焼き肉の日」キャンペーン 50人に飛騨牛1万円相当が当たる 飛騨牛銘柄推進協議会2025年8月20日
-
水稲栽培のメタンガス排出量・生育状況を調査 JA全農ひろしまと広島大学の共同研究2025年8月20日
-
酪農感謝祭2025開催 JA北宗谷青年部が豊富町で酪農PRイベントを実施2025年8月20日
-
「生産者応援キャンペーン」第4弾は「和牛」がお得 JAタウン2025年8月20日
-
「令和7年8月6日からの低気圧と前線による大雨に伴う災害」農業経営収入保険の支払い期限を延長(続報)NOSAI全国連2025年8月20日
-
季刊『うかたま』創刊20周年記念キャンペーン開催 農分協2025年8月20日
-
サブサハラアフリカのリン欠乏水田でコメ増収を実現 国際農研2025年8月20日
-
TICAD9 農林水産省セミナー「国際共同研究が育む未来」開催 国際農研2025年8月20日
-
賃貸経営の悩みに応える「空室対策セミナー」初開催 ジェイエーアメニティーハウス2025年8月20日
-
鳥インフル ブラジルからの生きた家きん 輸入停止措置を解除 農水省2025年8月20日
-
持続可能な未来へ植物工場の可能性「第2回JPFA植物工場国際シンポジウム」開催2025年8月20日