作業の効率化・省力化に貢献 世界最速のORPHISをJAはだので見た2018年10月23日
多くの企業や農協そして団体などで、インターネットや電子機器を活用したIT化が進み「ペーパーレス」時代になるといわれ久しい。しかし、大勢の人たちが参加する集会・会議そして研修会などでは、資料やテキストとして「紙の資料」は不可欠だといえる。そのような資料を作成するためには、効率的で省力化されたプリンターが必要だ。理想科学工業(株)は、そうしたプリンターを開発・製造している企業で、「世界最速のプリントスピードで、低ランニングコストのORPHIS(オルフィス)」を発売し、JAグループや多くの企業・団体で導入され、資料や会議資料の作成で大きな力を発揮している。そこで、今年春にこの世界最速プリンターと併せ印刷機リソグラフを導入した神奈川県のJAはだのを取材した。
◆毎月15万枚の紙資料を作成
JAはだの(秦野市農業協同組合、山口政雄代表理事組合長)は、神奈川県の西部に位置する秦野市を管内とするJAだ。秦野市は「丹沢大山国定公園」をはじめとする自然が豊かな都市だ。しかし、市の中心部から東京へは約60km、横浜市には約37kmのところにあり、東京・新宿へは電車で1時間、東名高速路の秦野中井インターがあり周辺主要都市に通じているなど、首都圏への通勤範囲であることから、近年は都市化・ベッドタウン化が進み、世帯数が2000年の6万2200戸から17年には7万戸を超えてきている。
秦野はかつては、水府(茨城県)、国分(鹿児島県)と並ぶ日本三大葉タバコ産地の一つとして知られていたが、急激な都市化の進展で農業も都市型農業となり現在では葉タバコは姿を消したが、降霜・降雪が少なく、比較的温暖な気候を活かし、名物の落花生や野菜から果物、花きなど多くの農産物を栽培している。また農産物直売所「じばさんず」は全国でも有数な直売所として知られている。
JAの組合員は、正・准合わせて1万4000人強となっている。JAでは毎月、組合員を対象に「全戸訪問」を実施しているが、その通知や理事会、各部門会議、生産部会会議などの資料の作成に、A4判を中心に、月に約15万枚の用紙を使用していると同JAの向原企画部総務課長が教えてくれた。
(写真)世界最速のORPHIS
◆最速カラープリントなど充実した機能が決めて
そうした文書類はこれまで、モノクロコピー機を使用して作成してきたが、このコピー機が古くなり更新時期を向かえたので、今後のことも考えて改めて検討をしたうえで、オルフィスに決定したという。
決定した要因は機器の価格はもちろんだが、プリントスピードとカラーであること。そして丁合機能やA3判を「Z折り」できるなど機能面で優れていることがあげられている。
例えば定期的に開催される理事会の資料は70頁ほどの厚さになるが、これまで提示されてきた数字が替わった部分や、グラフや表中の強調したい部分は、これまではモノクロコピーだったので、「網掛け」してきていた。オルフィスは、こうした部分がカラー化でき、より見やすくなり、理事者の理解が素早くできるようになったという。カラー化のメリットは理事会資料だけではなく、諸会議の資料、支所が配布している「かわら版」(写真)やチラシ類まで数え上げたらきりがないといえる。
また全戸通知など、JAとして組合員に配布する正式な文書には、組合長印の印影を赤で印刷し封筒に入るように手折りしていたのだが、オルフィスなら2色カラーでプリントし、折りを入れて封筒に入れ発送することができるし、「かわら版」やチラシも同時に配布することができる。
カラー使用率は、オルフィス全体の使用量の半分弱で、実際のコストはカラーが1.4円、モノクロ0.3円と「良好だが、それでもカラーを少し制限している」という。
(写真)カラー化された「かわら版」
◆印刷後作業時間を削減 「Z折り」機能
カラー化以上に導入効果があると向原課長が強調したのが「Z折り」と「丁合」だ。
会議資料は基本的にはA4判が官庁も含めて日本の標準だが、この資料の中にA3判の資料をZ折りして挿入することがよくある。JAではこれまで、印刷した資料は「丁合機で丁合(頁揃え)」し、手折りしていたので、時間がかかっていた。オルフィスは「高速フィニッシャーの紙折ユニットでA3判をZ折りして任意の頁に綴じ込むことができるので、印刷後の作業時間を大きく削減することができた。これが一番大きな導入効果です」と、喜ばれていた。
「世界最速」だから、プリントアウトまでの時間が短くなり、さまざまな作業が効率化・省力化していることも忘れてはならないことだ。
◆300枚以上は「印刷機」(リソグラフ)で
さらにJAで「印刷機」と呼ばれているリソグラフについても「300枚を超える印刷で使用する」というように使い分けており、周知文書や「じばさんず」でお客様に配布するレシピなどにも、「印刷機」が活用されているという。
これまでは、各支店の「支店通信」などは、支店が紙原稿を本店に持ち込んで印刷機で印刷していたが、「いまはPCデータを直接飛ばしてカラー印刷できる」ようになり、ここでも効率化・省力化が実現できている。
JAはだのでは、オルフィスとリソグラフの導入で、これまでより、(1)プリント時間が短縮できた。(2)手折りだったZ折りや丁合機での丁合作業が自動処理できることで印刷後の後作業が大幅に削減された。(3)各支店からもPCデータを飛ばしてプリントアウトできるようになった。(4)カラー化で見やすく・わかりやすくなったなどの導入効果があることが証明されたといえる。
◆ ◇
とくに、JAの職場での作業の効率化・省力化に大きく貢献していることが分かる。効率化・省力化され生まれた余剰時間は、他の仕事に使うことができるので、組合員や利用者サービスを充実することで、JAへの信頼度がこれまで以上に向上するのではないだろうか。
最後に「何か問題が起きた時に理想科学さんはとても対応が早く充実していますね」といわれた言葉をそのまま記しておきたい。
<問い合わせ先>
理想科学工業株式会社 MA営業部
▽住所:〒108―8385東京都港区芝5-34-7田町センタービル5F
▽電話:03-5441-6683
▽FAX:03-5441-6614
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(146)-改正食料・農業・農村基本法(32)-2025年6月14日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(63)【防除学習帖】第302回2025年6月14日
-
農薬の正しい使い方(36)【今さら聞けない営農情報】第302回2025年6月14日
-
群馬県の嬬恋村との国際交流(姉妹)都市ポンペイ市【イタリア通信】2025年6月14日
-
【特殊報】水稲に特定外来生物のナガエツルノゲイトウ 尾張地域のほ場で確認 愛知県2025年6月13日
-
【注意報】りんごに果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 岩手県2025年6月13日
-
SBS輸入 3万t 6月27日に前倒し入札2025年6月13日
-
米の転売 備蓄米以外もすべて規制 小泉農相 23日から2025年6月13日
-
46都道府県で販売 随意契約の備蓄米2025年6月13日
-
価格釣り上げや売り惜しみ、一切ない 木徳神糧が声明 小泉農相「利益500%」発言や米流通めぐる議論受け2025年6月13日
-
担い手への農地集積 61.5% 1.1ポイント増2025年6月13日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】生産者米価2万円との差額補填制度を急ぐべき2025年6月13日
-
井関農機 国内草刈り機市場を本格拡大、電動化も推進 農機は「密播」仕様追加の乗用田植え機「RPQ5」投入2025年6月13日
-
【JA人事】JA高岡(富山県)松田博成組合長を新任(5月24日)2025年6月13日
-
【JA人事】JAけねべつ(北海道)北村篤組合長を再任(6月1日)2025年6月13日
-
(439)国家と個人の『食』の決定権【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年6月13日
-
「麦とろの日」でプレゼント 東京のららぽーと豊洲でイベントも実施 JA全農あおもり2025年6月13日
-
大学でサツイマイモ 創生大学と畑プロジェクト始動 JA全農福島2025年6月13日
-
JA農機の成約でプレゼントキャペーン JA全農長野2025年6月13日
-
第1回JA生活指導員研修会を開催 JA熊本中央会2025年6月13日