雨宮会長が医療従事者を激励-JA全厚連2020年5月14日
JA全厚連は5月12日、新型コロナウイルス感染症に対応している役職員を激励するため、経営管理委員会の雨宮勇会長名によるメッセージを発信した。
雨宮会長は、メッセージでウイルスへの対応により過酷な状況にある厚生連医療スタッフをねぎらうとともに、緊急事態宣言で制約を受けている健康管理活動が早期に平常実施に戻れるよう祈念している。
また、医療スタッフ支援のためJAグループ団体から多数寄付があったことにも言及。さらに、厚生事業を開始した100年前はスペイン風邪が流行していたことを踏まえ、1世紀を経て全国規模となった厚生事業が再びパンデミックと向き合っていることを、厚生連の使命と照らし合わせて説明している。
雨宮会長のメッセージ要旨は以下のとおり。
新型コロナウイルス感染症は、国難として生活に大きな影響を及ぼし、収束も見通せず大変厳しい状況にある。
政府は全国に向け緊急事態宣言を発令したが、想定よりも感染者数が減少していない。こうした中、厚生連は感染症指定医療機関となっている病院を中心に感染者を受け入れ、公的医療機関としての使命を果たしている。
医療スタッフや役職員は、ご家族を含めた自らの感染リスクに不安を抱きながら業務を行い、大変疲弊されていると聞く。自身の危険を顧みず日夜過酷な現場でウイルスと格闘していることに、心から敬意を表するとともにご家族・関係者のサポートにも感謝する。
一方、健診事業は行政庁の指導で実施できない状況が続き、介護事業もマスクや消毒液等の資材不足で我慢を強いられている状況。一日も早く通常業務に戻り、組合員と地域住民に十分なサービスが提供できることを祈念する。皆様のがんばりに対し多くの方から支援が寄せられ、マスク・防護服・食材等の提供を受けている。大変ありがたく、協同組合の相互扶助を改めて実感している。
今年は、1919年に島根県で厚生連の源流となる医療事業が始まってから101年目。前年の1918年にはスペイン風邪が大きな被害を及ぼし、1世紀を経て再びパンデミックと対峙していることに因縁を感じている。
JA厚生事業は窮乏している農村から誕生し、現在33都道府県で5万4000人を擁し公的医療機関として地域に不可欠の存在となった。全国厚生連病院長会は2009年、「私たち厚生連病院は『地域に根ざした医療』、『地域を支える医療』、『地域が求める医療』の三つの柱をもって、地域住民の生命と健康を守ります」と宣言。慢性的要員不足の中で理念を実践しウイルスと闘う皆様は、グループの誇りであり大切な宝だ。
今は大変厳しいが必ず収束の時が来る。その時まで皆様が安心して業務に専念できる環境をサポートすることが本会の使命と考える。
ウイルス感染症拡大で世界はグローバル化から自国中心になり、自分や家族を守るため人々の猜疑心は大きくなっている。誰でもウイルスに罹患する可能性があるにも関わらず、最前線で闘う医療従事者とご家族にいわれなき偏見・差別があると聞く。大変悲しくあってはならないことだ。
本会は皆様の意見・要望を踏まえ国等に要請を行ってきたが、グループ・関係団体と連携しながら取り組みをさらに強化していく。私は日頃「遠くの親戚より近くの厚生連病院」と感じており、今まさに厚生連病院は地域医療の最後の砦であることをかみしめている。皆様の気概と心意気を肌で感じ、本会も役職員一丸でウイルスに立ち向かう所存だ。
JA厚生連の使命は、組合員や地域住民が日々健やかに生活できるよう、保険・医療・福祉の各事業を通じて地域社会発展に貢献すること。この実践が今ほど求められている時はない。課題は多いが、グループの総力を結集して難局に立ち向かい乗り越えていこう。
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