パン用小麦は地元で 学給への供給めざす【神奈川県のJA】2020年6月11日
小麦の生育を確認するTAC(JAはだの提供)
神奈川県のJAは、県内の学校給食のパン用小麦の増産に本格的に取り組む体制づくりを進めている。同県内ではJAはだのがパン用小麦の生産に力を入れており、一層の販路拡大を目指して県内のJAに呼びかけたのがきっかけ。今年、県内のJAやJA神奈川県中、JA全農などで研究会をつくり、栽培方法の統一などに取り組んでいる。
秦野市では、小麦の生産者で組織する「秦野小麦出荷組合」があり、JAのTAC(農業の担い手に出向く担当者)と連携して栽培、販路の拡大に取り組んできた。そのなかで地場産小麦のパンを県内の学校給食に供給することを検討し、県の学校給食会の理解も得た。しかし、同組合の生産量は30tほどで、必要な150tの供給にはとても及ばないことが分かった。
このため県内の生産者やJAに協力を呼びかけ、「神奈川県麦生産振興対策研究会」を発足させ、学校給食供給に向けた協議を重ねた。現在、神奈川県のJAで実際に学校給食のパン用に小麦を供給しているのは、JAあつぎを中心に420kg余りにすぎず、これを拡大するには、栽培方法、品質の統一など、取り組むべき課題が明らかになった。
その一つとして、このほどJAはだののTACが中心になって、県の農業技術センターの協力のもと、パン用品種の「ゆめかおり」の栽培暦を作成した。時期に合わせた管理方法や生育ステージなどが一目で分かるようになっており、これによって小麦の品質を向上・均質化する。
小麦栽培に名乗りを挙げているのはJAあつぎ、JAはだの、JAさがみの3JAで、具体的な生産振興策はこれからだが、研究会の事務局では、「地元農産物を地元の子どもたちに食べていただきたいという思いを伝えるため、生産振興に努めたい」(JA神奈川県中営農企画部)と期待を込める。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(140)-改正食料・農業・農村基本法(26)-2025年5月3日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(57)【防除学習帖】第296回2025年5月3日
-
農薬の正しい使い方(30)【今さら聞けない営農情報】第296回2025年5月3日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】「盗人に追い銭」「鴨葱」外交の生贄にしてはならぬ農産物2025年5月2日
-
【2025国際協同組合年】情報を共有 協同の力で国際協力 連続シンポスタート2025年5月2日
-
イネカメムシが越冬 埼玉、群馬、栃木で確認 被害多発の恐れ2025年5月2日
-
九州和牛をシンガポール人に人気のお土産に 福岡空港で検疫代行サービスを開始 福岡ソノリク2025年5月2日
-
就労継続支援B型事業所を開設し農福連携に挑戦 有機農家とも業務提携 ハピネス2025年5月2日
-
宮崎ガス「カーボン・オフセット都市ガス」 を県庁などに供給開始 農林中金が媒介2025年5月2日
-
5月29日から「丸の内 日本ワインWeeks2025」開催 "日本ワイン"を学び、楽しむ3週間 三菱地所2025年5月2日
-
協同心の泉 大切に 創立記念式典 家の光協会2025年5月2日
-
【スマート農業の風】(14)スマート農業のハードルを下げる2025年5月2日
-
(433)「エルダースピーク」実体験【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年5月2日
-
約1cm程度の害虫を強力捕獲「吊るしてGET虫ミニ強力タイプ」新発売 平城商事2025年5月2日
-
農中情報システム 自社の導入・活用のノウハウを活かし「Box」通じたDX支援開始2025年5月2日
-
洗車を楽しく「CRUZARD」洗車仕様ホースリールとノズルを発売 コメリ2025年5月2日
-
戦後80年の国際協同組合年 世代超え「戦争と平和」考える パルシステム神奈川2025年5月2日
-
生協の「地域見守り協定」締結数 全市区町村数の75%超の1308市区町村に到達2025年5月2日
-
ムコ多糖症ニホンザルの臨床徴候改善に成功 組換えカイコと糖鎖改変技術による新型酵素2025年5月2日
-
エフピコ×Aコープ「エコトレー」など積極使用で「ストアtoストア」協働を拡大2025年5月2日