JAの活動:JAの新代表に聞く
【JA新代表に聞く】第4回 蛯原一治・JA忠類代表理事組合長2018年6月28日
協同組合精神を柱に
生き残れる経営体へ
JA忠類は、北海道十勝の南部に位置し、東には太平洋、西には日高山脈という大自然に育まれながら、酪農を中心に肉用牛の生産や豆類、てん菜、小麦、バレイショ、野菜などの生産を主とした農業が営まれている。特に「食用ゆり根」は忠類ブランドとして全国的にも有名だ。近年では台湾へも輸出されている。
「平成27年に開かれた第28回JA北海道大会では、農業所得20%増大、新規担い手倍増、サポーター550万人づくりの3つが決議されました。JA忠類としても、その決議を受けて、営農・経済事業を強化して、農家組合員の農業所得の増大につなげるとともに、地域に根ざした『協同組合』としての存在意義を発揮すべく自己改革の真っ只中にあるところです」
JA忠類では、第7次中期総合計画にもとづいて、営農懇談会や各生産部会、青年部などの意見を踏まえて、30年度の事業計画を策定した。
「農業部門では、基幹作物を基本とした適正な輪作体系の維持と耕畜連携による『土づくり』と『食の安心と安全対策』に重点を置きます。そして費用対効果を意識した収量と品質向上対策を進め、生産者の所得向上に取り組みます。また昨年から始めたJA幕別町との『協同間連携』による長イモ栽培の拡大をめざします。農産物の取扱計画は前年度比10.1%増の3億8200万円強を見込んでいます」
酪農・畜産部門では、生乳増産と乳質の向上をさらに強化し、前年度比3.0%増の58億8700万円強をめざす計画だ。
「グローバル化や農協改革などJAを取り巻く環境は激変しており、変化のスピードもますます速まっています。こうした時代だからこそ、常に組合員とJAとの距離を縮め、互いが責任ある役割を果たしながら、厳しい時代の中にあっても、しっかりと生き残れる健全な経営体の構築を図らなければなりません」
JA忠類は環境との調和に配慮した「安心・安全」な農畜産物の生産を通じた消費者との信頼確保を最大の目標に置いている。そして、その先にあるのは地域農業の振興だ。
「小麦やてん菜などの農産物の作付面積は全体で約400ha、畜産物では生乳用牛が6000頭強と、北海道の中では小規模なJAです。しかし、それに臆することなく、心を豊かに持ちながら組合員の知恵と工夫を生かし、役職員一同が一丸となり努力していきます。私のリーダーシップもそこに求められているのだと自覚しているところです」
(えびはら・かつじ)
昭和23年生まれ。69歳。
平成26年2月まで認定農業者(OB)。座右の銘は「友愛」。
この他の新代表のインタビュー記事は下のリンクよりご覧ください。
シリーズ【JAの新代表に聞く】
(関連記事)
・【JA人事】JA忠類(北海道)新組合長に蛯原一治氏(18.04.26)
・【JA人事】多田智組合長が再任 JA忠類(北海道)(5月11日)(12.05.22)
・JA忠類(ホームページ)
重要な記事
最新の記事
-
【解題】基本法改正は食料安保をめぐる現場での課題にどう応えようとしているのか 谷口信和東大名誉教授2024年4月23日
-
第18回全農学生「酪農の夢」コンクール「学校賞」新設 作品募集中2024年4月23日
-
元卓球日本代表・石川佳純が全国を巡る卓球教室 大分で開催 JA全農2024年4月23日
-
運営9年目・稼働率約9割 地域に喜ばれる貸出農園事業を展開 JAマインズ2024年4月23日
-
量販店等に終売通告を行う白米卸も【熊野孝文・米マーケット情報】2024年4月23日
-
【JA人事】JAむかわ(北海道)長門宏市組合長を再任(4月10日)2024年4月23日
-
【JA人事】JAとうや湖(北海道)高井一英組合長を再任(4月12日)2024年4月23日
-
農繁期の人材確保へ「いわて農業未来プロジェクト」支援開始 タイミー2024年4月23日
-
栃木県那須塩原市 道の駅「明治の森・黒磯」リニューアルオープン2024年4月23日
-
いちご生産量日本一 栃木県真岡市のPR動画「もおかのいちご物語」公開2024年4月23日
-
「夏のさつまいも博2024」さいたまスーパーアリーナで7月4日から開催2024年4月23日
-
知財功労賞「経済産業大臣表彰」を受賞 ブランド戦略とユニークな登録商標の活用が評価 サタケ2024年4月23日
-
令和5年冷凍食品の生産・消費調査 出荷額は7799億円で過去最高 日本冷凍食品協会2024年4月23日
-
農業を志す学生450人が来場「食品・農業就活サミット」開催 シンクロ・フード2024年4月23日
-
全国道の駅公式オンラインショッピングサイト「道の駅マルシェ」オープン2024年4月23日
-
千葉県市原市「第42回 市原市園芸まつり」開催2024年4月23日
-
食や農業の未来に「あったらいいな」を募集「未来エッセイ2101」AFJ2024年4月23日
-
その場で当たりが分かる「甘果にんじん」春キャンペーン開催 ファーマインド2024年4月23日
-
シードル生産者が大阪に集結「Osaka Cider Festival大阪林檎酒祭り」開催2024年4月23日
-
サラダクラブ産地表彰式 第8回「Grower of Salad Club 2024」開催2024年4月23日