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シリーズ:JA全農改革実践レポート

2019.03.14 
【JA全農自己改革実践レポート】第1回 共同購入トラクター一覧へ

 農業機械はJA全農改革の生産資材価格低減で、肥料とともに俎上に上がった品目である。全農は、政府の「農林水産業・地域の活力創造プラン」への対応として生産現場の声を反映した大型トラクター(60馬力クラス)の開発・共同購入に取り組んだ。

冬も快適、キャビン付き
埼玉県の角谷さん

 

57馬力の威力発揮する共同購入のトラクター(写真)57馬力の威力発揮する共同購入のトラクター

 
 開発に当たっては、日本農業法人協会、全国農協青年組織協議会(JA全青協)、全国農業青年クラブ連絡協議会と全農による資材事業研究会で徹底した議論を重ねたほか、生産者モニターや1万人を超える生産者アンケートを通じて、作業するうえで、生産者が実際に必要とする機能を徹底検証した。
 これに基づいて2017年9月に国内農機メーカー4社へ開発要求、2018年6月に各社の性能・機能の確認をおこなった上で入札を実施し、共同購入トラクターはヤンマーアグリ(株)の「YT357JZUQH」に決めた。農機価格引き下げの強い要望に応え、オートマでなくマニュアルシフトタイプとした。60馬力クラスではゆとりのあるエンジン(総排気量3.3L)を搭載し、生産者モニターで要望の多かった、おおむね1日無給油で作業できる燃料タンク(56L入り)を備えている。

 

「寒風の日でも快適」という角谷さんとJAの戸谷さん(写真)「寒風の日でも快適」という角谷さんとJAの戸矢さん

 

 埼玉県本庄市で野菜と採卵鶏5000羽を経営する角谷仁さん(41)は、このトラクターを購入した一人だ。トウモロコシ、ハクサイ、キャベツ、ブロッコリーなどを栽培する。共同購入のトラクターを含め3台を使い、約2.7haをこなす。
 角谷さんが、本格的に父親の手伝いを始めたのは5、6年前から。父親の文男さん(70)は、寒い日のトラクター作業を避けるようになった。遮るものがなにもない関東平野の冬の空っ風は、若い角谷さんでもこたえる。エアコン付きキャビンのトラクターは望んでいたものだ。「思った通りの快適さで、冬でも父が乗るようになった」と角谷さん。
 大型の農業機械で面倒な作業に給油がある。従来のトラクターは1日作業をすると2、3回の給油が必要になる。角谷さんは、「これまでは午前中作業して、昼に給油して作業を続けるケースが多かったが、丸1日給油しなくていいのは助かる」と言う。時間も労力も軽減されるというわけだ。
 ロータリー幅は2.2mあり、同じタイプより広いのもこのトラクターの特徴の一つで、「作業効率がよく、幅広いロータリーを牽く馬力が十分ある」と角谷さん。シートの調整が自在で、座り心地がいいのも気に入った。
 JAひびきのの農機自動車センターの戸矢幸男主任は「開発前に管内の担い手100人ほどに聞き取り調査したが、高機能より低価格という要望が強かった。農家思いのトラクターができた。57馬力は中規模経営に最適だ」と評価する。管内ですでに20台以上入っている。

 

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【JA全農自己改革実践レポート】連載にあたって

 

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