JAの活動:私の意見・提言 JAへエール
コロナ禍 いまこそ協同の精神 愛媛県JAえひめ南元組合長 林正照【私の意見・提言 JAへエール】2020年8月11日
JAグループの「組合員調査」でも明らかなように、JAは食や農、地域の地域インフラなどで重要な役割を果たし「なくてはならない組織」として評価されている。しかしJAのことは、国民に広く知られているとは言えず、自己PRが下手といわれても仕方ない。コロナ禍で不安の高まるなか、全国のJA組合長や農協協会主催の「農協人文化賞」の受賞者などに手紙を出し、農業・JA・社会から政治・経済まで、意見・提言を呼び掛けた。寄稿のあったものから随時掲載する。自由に意見を述べる場としたい。
愛媛県JAえひめ南元組合長 林正照 氏
新型コロナウイルス感染症は、大都市を中心に衰えることなく、ややもすると第2波、第3波の可能性を秘め、私たちの命を脅かすと同時に、国民に強い不安を与え、対応に苦慮しているところである。今年2月中国武漢市の発生源で、短期間のうちに世界中に感染が拡大したウイルス。過去1918年~1920年、ちょうど100年昔アメリカから発生したスペイン風邪、インフルエンザA、死亡者数5000万人~1億人といわれ、昔も今も今後も、人と人との戦いから、ウイルスとの戦いが最も重要視される時代を迎えたといえる。
国内においては緊急事態宣言は解除されたとはいえ、毎日100人を超える感染者が発生し、安全であるとは言い難く、3密(密集、密着、密閉)を克服するために、マスクの着用や手洗い、人と人との距離を保ち、イベント行事を廃止。国外や都道府県を超えての移動を自粛、スポーツや伝統ある地域の祭りや行事も自粛や中止となった。特に残念なことは、夢のある高校野球の取りやめ、スポーツの祭典オリンピックまでが来年度に、過去経験したことのない大きな行事まで中止や延期は、若者にとって図りしれないものではないか。
先の見えないウイルスと戦い、少しでも元気づけようと、さまざまな活動は従来思いもよらなかった姿に心を癒してくれる。一方で中小企業や個人経営者も知恵をしぼって、前向きに取り組んでいるが、100%能力を発揮できる日は予想が立たない。そうなると新型コロナウイルス感染症を契機に、従来の経営のあり方から改革の必要性が問われ、私たち高齢者は置き去りになるが、インターネットやAI等、物の取引、代金決済方法も大きく変わることになるのではないか。今回を機会に一極集中型から分散型へ、都市から地方へと拠点を移すことで良くなれば、国も安定し同時に将来発生するであろう、ウイルス対策について対応できるのではないか。
今地方では、少子高齢化で過疎化が進み、限界集落などを耳にする。わが地域の状況は、ミカン産地として経営を維持してきたものの、後継者問題が深刻で放任園が増加しつつ、5年先を心配している。しかし、現時点では共同防除など若い農業者が頑張っていること、中山間直接支払い制度の恩恵もあるが、さらに農協の支援も必要としている。
農協は組合員のための農協か、職員のための農協か。組合員も高齢化し家族構成も少なく、地域人口は減少が著しい。しかし今こそ、1人は万人のために、万人は1人のためにの精神で、頼れる農協として、農と暮らし守るために頑張っていただき、組合員が寄り添う農協になってほしい。その原点は、職員教育に力を注いでもらいたい。
(関連記事)
重要な記事
最新の記事
-
需要に応じた生産とは何なのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年10月28日 -
【人事異動】JA全農(12月1日付)2025年10月28日 -
農水省「環境負荷低減の見える化システム」JA全農の「担い手営農サポートシステム」と連携2025年10月28日 -
栃木米「トーク de ス米(マイ)ルフェスタ」開催 JA全農とちぎ2025年10月28日 -
中畑清氏ら元プロ野球選手が指導「JA全農WCBF少年野球教室」太田市で開催2025年10月28日 -
大学×企業×JA 群馬を味わう「産学連携パスタ」開発 高崎商科大学2025年10月28日 -
稲の刈り株から糖を回収 ほ場に埋もれる糖質資源のアップサイクルへ 農研機構2025年10月28日 -
卒業後サポートも充実「亀岡オーガニック農業スクール」第三期募集開始 京都府亀岡市2025年10月28日 -
野菜販売や林業機械パフォーマンスも「第52回農林業祭」開催 大阪府高槻市2025年10月28日 -
京都各地の「食」の人気商品が大集合「食の京都TABLE」開催 京都府2025年10月28日 -
HACCP対策 業務用「捕虫器 NOUKINAVI+ 6803 ステンレス粘着式」発売 ノウキナビ2025年10月28日 -
100年の想いを一粒に「元祖柿の種 CLASSIC」30日に発売 浪花屋製菓2025年10月28日 -
令和7年度自治体間農業連携先候補者を選定 大阪府泉大津市2025年10月28日 -
農と食の魅力発見「東京味わいフェスタ」丸の内・有楽町・日比谷・豊洲の4会場で開催2025年10月28日 -
南都留森林組合と「森林産直」10周年「パルシステムの森」を提起2025年10月28日 -
中古農機具「決算セール」全国30店舗とネット販売で開催 農機具王2025年10月28日 -
越冬耐性の強い新たなビール大麦 品種開発を開始 サッポロビール2025年10月28日 -
だしの力と手づくりの味を学ぶ「手打ちうどん食育体験」開催 グリーンコープ2025年10月28日 -
11月14日は「GAPとSDGs農業の日」ロゴマーク決定 日本GAP協会2025年10月28日 -
「日本各地の米粉グルメを楽しむ!全国おでかけグルメフェア!」開催2025年10月28日


































