JAの活動:JA緊急アンケート
農協の役割 改めて認識【コロナ対策に学ぶ(9)】2020年9月24日
「対策」に多くのヒント
農協からのアンケートで回答された「コロナ禍から得た教訓」と、「コロナ禍で考えさせられた農協の役割」の内容は、今回の緊急アンケートの最終的な目的である、コロナ禍に対し、農協はどうするべきかの答えのヒントである。また、食と命と暮らしと地域・農村を守る協同組合としては、「いま何が必要で、将来を視野に何をするべきかを探る」ことに対するヒントを読み取るべきものである。
目標示し問題意識の共有を今後の農協に求められるのは、これらの教訓と農協の役割についてのそれぞれの考えを踏まえて、全国の農協の役職員・組合員がみんなで考え・話し合うことで、問題意識を共有化し、問題点と課題の「見える化」で、農協組織としての取り組みの目標を確立して、全国の農協が一丸となって確実に実践することである。それは、農協が協同組合としての組織力を発揮した協同の成果の実現となる。全国の農協で確立された共通目標を確実に実践するためには、実践の進捗状況を確認し、その成果を正しく評価し、現状に合った組織的な取り組みを進めることが求められる。いわゆる全国の農協での「次の農協自己改革の実践PDCAサイクル体制確立」である。このサイクルは、正のスパイラル(くれぐれも負のスパイラルとならないように)とならねばならない。全国的推進体、新しい農協づくりのトップリーダーには、先見性・指導力・組織力・推進実行力・粘り強さが強く求められる。
社会的使命の自覚持つ
今回の緊急アンケートの最後は、「今後の農協組織・事業のあり方」を提言して終わる。これまでのアンケート結果をどう生かすかについては、これまで8回にわたってアンケート結果を報告しながら、今後の農協組織・事業のあり方を示した。それは、(1)実施された組合員や地域住民の命を守る取り組みの優先、(2)安全・安心の食料を生産・提供する取り組み強化、(3)組合員農家の営農を支援する取り組み強化、(4)暮らしを守る生活インフラ総合サービスの実現、(5)農協におけるデジタル化、(6)農協における医療・福祉事業の維持、(7)農協における農政活動の確立、(8)農協におけるBCP体制の確立である。また、それらの全国共通目標とする取り組みと確実な実践は、全国の農協・全国連によるPDCAサイクルを正のスパイラル(くれぐれも負のスパイラルとならないように)として回し続けることが必要かつ重要であると指摘した。その全国的な農協組織・事業の見直し活動(組織・事業の再構築)の中核となる考え方・哲学・礎(いしずえ)は、「命・食・農業・暮らし・地域・農村を守る」農協づくり、「組合員を守る」農協づくり、「地域に貢献する」農協づくりを進めることである。そして、全国の同じ協同組合の仲間とともに、世界の協同組合の仲間とともに、人間の利他心を育てて、助け合いの協同組合社会づくりを進めなければならない。このことを踏まえて農協は、「協同組合活動によって、組合員や地域住民の食と命と営農と暮らしと地域・農村を守ると社会的使命を担っている」ことの自覚と自信、責任を持って行動しなければならない。(青森県JA十和田おいらせ理事)
(関連記事)
JA緊急アンケート
重要な記事
最新の記事
-
【JA全農の若い力】家畜衛生研究所(1)養豚農家に寄り添い疾病を防ぐ クリニック北日本分室 菅沼彰大さん2025年9月16日
-
国のプロパガンダで新米のスポット取引価格が反落?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年9月16日
-
准組合員問題にどう向き合うか 11月15日に農協研究会開催 参加者を募集2025年9月16日
-
ファミリーマートと共同開発「メイトー×ニッポンエール 大分産和梨」新発売 JA全農2025年9月16日
-
秋元真夏の「ゆるふわたいむ」北海道訓子府町で じゃがいもの新品種「ゆめいころ」を収穫 JAタウン2025年9月16日
-
山形県産「シャインマスカット」品評会出品商品を数量限定で予約販売 JAタウン2025年9月16日
-
世界初 土壌団粒単位の微生物シングルセルゲノム解析に成功 農研機構2025年9月16日
-
「令和7年8月6日からの低気圧と前線による大雨に伴う災害」農業経営収入保険の支払い期限を延長(適用地域追加)NOSAI全国連2025年9月16日
-
農薬出荷数量は1.3%増、農薬出荷金額は3.8%増 2025年農薬年度7月末出荷実績 クロップライフジャパン2025年9月16日
-
林業の人手不足と腰痛課題解消へ 香川西部森林組合がアシストスーツを導入 イノフィス2025年9月16日
-
農業支援でネイチャーポジティブ サステナブルの成長領域を学ぶウェビナー開催2025年9月16日
-
生活協同組合ユーコープの宅配で無印良品の商品を供給開始 良品計画2025年9月16日
-
九州・沖縄の酪農の魅力を体感「らくのうマルシェ2025」博多で開催2025年9月16日
-
「アフガニスタン地震緊急支援募金」全店舗と宅配サービスで実施 コープデリ2025年9月16日
-
小学生がトラクタ遠隔操縦を体験 北大と共同でスマート農業体験イベント開催へ クボタ2025年9月16日
-
不在時のオートロックも玄関前まで配達「スマート置き配」開始 パルシステム千葉2025年9月16日
-
全国のうまいもの大集合「日本全国ふるさとマルシェ」東京国際フォーラムで開催2025年9月16日
-
産地とスーパーをつなぐプラットフォーム「みらいマルシェ」10月から米の取引開始2025年9月16日
-
3つの機能性「野菜一日これ一杯トリプルケア」大容量で新発売 カゴメ2025年9月16日
-
「国民一人ひとりの権利」九州大学教授招き学習会実施 パルシステム2025年9月16日