JAの活動:JA緊急アンケート
農協のBCP体制を早急に【コロナ対策に学ぶ(8)】2020年9月16日
支所・支店は営業継続
新型コロナウイルス感染症に関する緊急アンケートでは、「コロナ緊急事態宣言発令での業務継続対策をどうしたか」を聞いた。結果は、「交代勤務」57.1%、「時間短縮」41.8%、「特別対策チームを立ち上げた」39.6%、「在宅勤務(テレワーク)」24.7%だった。
また、「緊急発令時の支所・支店・集出荷施設等の運営をどうしたか」は、「従来通り営業・操業」74.7%、「営業・操業時間短縮」29.7%、「一部閉店・休業」7.7%だった。組合員との結びつきが強い支所・支店・集出荷施設では、従来通りの運営に努めた農協が多かったことが分かる。
組織・事業見直しを
また、「第2波・3波に対する長期化への備えは何が必要か」については、「組織・事業のあり方、仕組み・進め方を見直す必要がある」71.7%、「プロパー資金等、組合員への資金面に支援体制を確立する必要がある」33.7%、「行政・医療機関との連携を強化する」25.5%、「長期計画、3か年計画を見直す必要がある」21.7%、「特別対策チームを立ち上げる」10.3%だった。
最も多い「組織・事業のあり方、仕組み・進め方を見直し」の主な内容は、(1)組合員組織の見直しが必要、(2)デジタル化とセキュリティの強化、(3)感染症対策を踏まえたBCP等の整備、(4)会議の持ち方(オンライン会議等)の見直し、(5)組合員向けメール発信の強化・動画You Tubeでの配信、(6)窓口での感染防止、(7)リモートワークの早期構築、(8)事業の効率化・支店再編などが多かった。
アンケート調査での「コロナ禍から得た教訓」「コロナ禍で考えさせられた農協の役割」では、(1)役職員1人ひとりが問題意識を持って行動すること、(2)原点に立ち返り互助の精神のもと地域社会を支えること、(3)地域産業の中核として、非常時にも地域住民の暮らしを守ること、(4)さまざまな分野においてリスク管理、現状把握に関する体制整備が求められる、(5)非常時の事業継続性確保(BCP)について、テレワーク実践等により課題が見え、今後の教訓となる、(6)緊急事態に対応できる現場力の必要性などがあげられた。
全国ネットワーク生かす
今回の緊急アンケート調査結果において、農協が学んだ「コロナ禍から得た教訓」は、全国連などからの全国的な農協グループとしての「緊急発令での業務継続対策」が早期に徹底されていないことが明らかとなったことだ。言葉を変えると「全国的な農協BCP(非常時事業継続性確保)運用体制が確立されていないことに問題がある。
農協は、世界的に評価されている組織力がある((1)全国のどこにでも農協がある、(2)単位農協・県連・全国連の全国ネットワークがある)。
そして、農協のBCPは、農協経営優先よりも組合員を守ること、地域に貢献することを優先しなければならない。そこで、農協のBCPで早急に求められるのは、全国組織のBCP本部(緊急対策本部)を設置するである。全国の全ての農協でBCP本部を設置して、全国一丸となった「農協BCPサイクルの運用体制」を確立する必要がある。
全国的な農協BCP(事業継続計画)体制を確立することは、緊急時だけで平時においても「組合員を守り、組合員の営農と暮らしを守り、地域に貢献する」農協の組織力と、全国ネットワーク力を、さらに強化することに繋がる。
(関連記事)
JA緊急アンケート
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
【人事異動】農水省(5月1日付)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
備蓄米 第3回は10万t放出 落札率99%2025年4月30日
-
「美杉清流米」の田植え体験で生産者と消費者をつなぐ JA全農みえ2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
大阪万博「ウガンダ」パビリオンでバイオスティミュラント資材「スキーポン」紹介 米カリフォルニアで大規模実証試験も開始 アクプランタ2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日
-
キウイブラザーズ新CM「ラクに栄養アゲリシャス」篇公開 ゼスプリ2025年4月30日
-
インドの綿農家と子どもたちを支援「PEACE BY PEACE COTTON PROJECT」に協賛 日本生協連2025年4月30日