JAの活動:【Never Give Up! 新時代へ前進あるのみ 第71回JA全国青年大会特集】
【座談会】JA全青協OBの思い 経験が糧に(1)仲間の存在が大きな力に2025年2月27日
第71回JA全国青年大会を記念してJA全青協出身者に当時の思いを含めて座談会を企画した。出席者は福岡県・JAくるめ組合長の八尋義文氏、埼玉県・JAいるま野枝豆部会部会長の飯野芳彦氏。司会・進行役に農政や地域農業に詳しい岡山大学名誉教授の小松泰信氏に当たってもらった。

写真左から小松泰信氏(司会、岡山大学名誉教授)、
八尋義文氏(JAくるめ組合長)、飯野芳彦氏(JAいるま野枝豆部会部会長)
仲間の存在が大きな力に
小松 今日は「NEVER GIVE UP! ~新時代へ前進あるのみ~」を大会スローガンに埼玉で開催される全国農協青年組織協議会(JA全青協)第71回大会に向けて、全青協ご出身の八尋さん、飯野さんと話し合いたいと思います。私は、全青協経験者は大志を抱きトップマネジメント、JA経営者として活躍してほしいと考えているのですが、八尋さんは全青協時代からトップをめざしていましたか。
八尋 20歳で入った青年部が私の原点です。肥料配達をはじめいろんな活動もし、懇親会も派手で、25~30人もおれば一升瓶が10本も空いたものです。地元にいい先輩がおられて、私を大事にしてくれて、清濁含めいろいろ教えてくれました(笑)。28歳の時、海外セミナーでヨーロッパの農業者研修に行ったのも大きな経験でした。
小松 飯野さんは地元のJAいるま野で部会長をしているのですね。

飯野芳彦氏(JAいるま野枝豆部会部会長)
飯野 枝豆部会の部会長です。昔は、投げ師と呼ばれた運送屋が管内の野菜をトラックに積んで築地や神田の市場に卸していました、それじゃダメだとJAでまとめて一元共販連絡協議会を立ち上げ、再来年50年になります。米の集荷、共販はあったのですが、都市近郊で野菜、というのは全国的にもめずらしかったようです。いま、野菜部会で約750人、枝豆だけで約230人の生産者がいます。
八尋 それだけいれば市場からも相手される。
飯野 期待されますね。うちでは1品目でなく5品目くらい、それなりの量がすぐに集まります。ただ昨年は長梅雨や猛暑があって、収量が減ったり物が悪かったりして、生産部会全員が焦りました。そこで播種前の1~2月、毎週のように各品目、栽培講習会を開きました。
八尋 うちも高温でイチゴの「あまおう」が前年の6~7割の出荷量です。市場からも「今年、あまおうは?」ばかり聞かれます。逆に南国野菜のゴーヤは11月までとれていると聞きました。暑さは続くでしょうから、品種転換も考えないと。
飯野 生産者部会の役員をして良いなと思うのは、組合員が自分たちの所得、いるま野の売上をどう上げていくか真剣に議論する。ふと思ったのは、ぼくらは「農業」協同組合なんだな、ということです。地元に根差して、家があって、土地があって、そこを耕して暮らしていく。そうした農家組合員がいてこそ、准組合員さんもJAを信頼できると思います。
楽しければ自然に意欲

八尋義文氏(JAくるめ組合長)
八尋 そうですね。私がめざすのは、職場が楽しければ農家組合員さんも笑顔が出て、農業に対する意欲が出てくる好循環です。「そこを何とかしよう」というのが組合長になった時の思いでした。せっかく世界に誇れるJAグループなんだからもっと羽ばたかないと。ところで飯野さんはいくつ?
飯野 48歳です。
八尋 いい時やね。
小松 飯野さんはどうして全青協に?
飯野 東京農大の短大を出てすぐに親元就農しました。28歳の時、父が胃がんで倒れ、翌年母も病気になりました。家族+1、2名で野菜(コカブ、ニンジン、サトイモ、枝豆、サツマイモ)を作る家族農業だったので一気に行き詰まり、医療費がのしかかりました。支払い前日は机の隅の1円玉を探すような日々でした。母は今も健在ですが、33歳の時に父が他界します。
廃業してもおかしくないほど辛かった時、助けてくれたのが同級生、JA職員、青年部の仲間でした。雑誌『地上』を「読んだら?」と置いていってくれたこともありました。それから、「これは恩返しせにゃいかんな」と思いながら地域農業に関わってきました。全青協役員に選ばれたのは農協改革の渦中で、「今が恩返しのチャンスだ」と感じました。
小松 役員と農業は両立できた?
飯野 はっきり言えばできてません。消防など地域での役は友人たちが代わってくれて助かりました。農業に関しては従業員に感謝しかないです。父が倒れた時点でやり方を変えないといけないと、正社員2人とパート5、6人雇って何とか維持してきました。普通は経営が良くなってから人を雇うのですが、うちはあべこべだったんで経営が大変でした。今は妻のおかげもあって安定しています。法人化すべきか、少し悩んでいるところです。
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