TPP閣僚会合 11月8日北京で開催2014年10月30日
甘利明TPP担当相は10月29日に開かれた自民党の「外交・経済連携本部・TPP対策委員会合同会議」に出席して豪州閣僚会合結果について説明し、次回の閣僚会合が11月8日北京で開かれることを明らかにした。
10月25日から27日までオーストラリア・シドニーで開催された閣僚会合では3回の全体会合に加え各国ともかなりの時間を2国間協議にあてたという。
日本も米国をはじめすべての閣僚と二国間協議を行った。甘利氏は「多くの国と進展し、いくつかの国とは終結に近づけることができた」と話した。
米国との協議については「間違いなく進展はしたが、まだ重要な課題がいくつも残っている。引き続き残された課題について米国をはじめ各国と詰めを行っていく」と述べた。
今回の会合では、難航3分野とされてきた「知的財産」、「環境」、「国有企業」に加え、「物品貿易」、「投資」、「法的制度的事項」の6分野について、首席交渉官会合で事前に絞り込んだ論点について討議したという。
「投資」にはISD条項も含まれる。「法的制度的事項」とは紛争処理手続きに関する事項。「知的財産」は特許保護期間などが問題となっている。「環境」分野はそもそも貿易ルールに環境規制がなじむのかとの主張もあるという。
「国有企業」については、とくに発展途上国が特別扱いを求めているが、今回の閣僚会合で例外規定を絞り込むための作業指針に合意したという。
交渉内容は明らかではないが、内閣府の渋谷審議官によるとTPP交渉21分野のうち、今回の協議した6分野以外は「閣僚会合にあげるべき課題は残ってない」という。 閣僚会合は「市場アクセス交渉と貿易投資ルール交渉で実質的に進展させた」との共同声明を発表している。
首席交渉官は引き続きシドニーに残り11月2日まで会合を行う。そのうえで11月8日に北京で開催されるAPEC(アジア太平洋経済協力)閣僚会合の際にTPP閣僚会合も開く。甘利氏によるとその後、APEC首脳会合が予定されているため関係閣僚は首脳を待って会合結果を報告することになるだろうと話した。
甘利氏は「最終的な局面を迎えつつある。政府与党一体となって国益の実現を図りながら早期妥結に向け最大限努力する」と語った。
(写真)
豪州閣僚会合結果について説明する甘利明TPP担当相
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