農協改革の骨格を了承 政府の本部2015年2月18日
政府の「農林水産業・地域の活力創造本部」が2月13日に開かれ、農協改革の法制度の骨格を本部として了承した。
◆自給力指標が大事
この日の会合では農協改革の法制度の骨格が説明されるとともに、食料自給力指標や農業所得倍増など盛り込むことになっている新基本計画の検討状況が説明された。
西川農相は農協改革について「今後、この骨格に基づき速やかに法案を作成し国会に提出するとともに、農業者や農協関係者に今回の農協改革の趣旨を正確にお伝えすることにより、関係者が徹底した話し合いを行い地域農協が自立し、農産物の有利販売等に積極的に取り組んでいただけるようにしたい」などと話した。
麻生財務大臣は「今回の農協改革は単位農協の自由度を高めて、地域農業、ひいては日本の農業の競争力、これを前進させる目的の改革である。700程度ある単位農協について経営力が重要であり経営感覚を一層発揮した経営を行って、農業者の所得向上につなげていくことが重要である」と述べたほか、「食料安全保障の観点からは食料自給力という指標が重要」と話した。
石破地方創生大臣も「自給力指標が大事である。この指標を国民に分かりやすく示していくことが大事」と話した。
有村規制改革担当大臣は「農業WGを10日に開催し、そこでも(今回の農協改革は)おおむね規制改革会議の考え方に沿った大きな前進であるとの判断をいただいた。農業者の所得向上、若い人の農業参入といったものを通じて経済成長に結びつけていくことが大事で、農林水産省と同じ方向を見て取り組んでいきたい」と話した。これらの発言の後、副本部長である菅官房長官が閣僚に農協改革の骨格についての賛同を求め了承された。
◆「農協は地域経済の発展を」安倍首相
その後、安倍総理は以下のように発言した。
「農業は日本の故郷を守ってきた国の基である。一方で農政の抜本改革は待ったなしである。若者がその情熱を活かすことができる農業、市場を意識した競争力ある農業を実現していかなければならない。安倍内閣ではこれまで農地集積バンクの創設、米の生産調整の見直しなど農政改革に力を注いできた。さらに意欲ある農業の担い手が活躍しやすい環境となるよう、本日、農協・農業委員会・農業生産法人の3つの改革を一体的に行うことを決めた。
とくに農協については農家の所得を増やすため、意欲ある担い手と地域農協が力を合わせ創意工夫を発揮し、ブランド化や海外展開を図っていける体制に移行する。これからは農家のみなさん、そして地域農協のみなさんが主役である。このため農協法に基づく現行の中央会制度を廃止し、全国中央会は一般社団法人に移行する。農協にも公認会計士による監査を義務づけることになる。こうした改革を通じ地域農協には地域経済の発展のためさらに大きな役割を果たしてもらいたい。
これらの改革を含め強い農業と美しく活力ある農村を実現していく。農政改革のグランドデザインを踏まえた新たな食料・農業・農村基本計画については引き続き閣議決定に向け、さらに検討を進めてもらいたい」。
同本部が策定する「農林水産業・地域の活力創造プラン」(26年6月改訂)では農協改革等の実施状況や基本計画の検討状況について、この政府本部がフォローアップすることと明記されている。
重要な記事
最新の記事
-
【特殊報】チュウゴクアミガサハゴロモ 県内で初めて確認 栃木県2025年8月20日
-
【特殊報】チュウゴクアミガサハゴロモ 県内で初めて確認 香川県2025年8月20日
-
【浜矩子が斬る! 日本経済】暗号資産危機に日本はどう対応するつもりなのか 怪しげな仮想空間憂う2025年8月20日
-
富富富2万6800円、コシヒカリ2万6000円に 「精米5kg3000円台で買えるように」 全農とやま2025年8月20日
-
コシヒカリ2.6万円 全農あおもり、概算金の目安示す 「リスク取って集荷」2025年8月20日
-
魚沼産コシヒカリ3万2500円 全農にいがた、概算金決める 背景に作柄不安と集荷競争2025年8月20日
-
随契米 販売期間を延長 10万t未引渡し 農水省2025年8月20日
-
ぞうさん♪ぞうさん♪本当に作れるの?【小松泰信・地方の眼力】2025年8月20日
-
サザエさん一家の「もりのわ」話 吹き出しコンテスト 受賞作品決定 農水省2025年8月20日
-
「8月29日は焼き肉の日」キャンペーン 50人に飛騨牛1万円相当が当たる 飛騨牛銘柄推進協議会2025年8月20日
-
水稲栽培のメタンガス排出量・生育状況を調査 JA全農ひろしまと広島大学の共同研究2025年8月20日
-
酪農感謝祭2025開催 JA北宗谷青年部が豊富町で酪農PRイベントを実施2025年8月20日
-
「生産者応援キャンペーン」第4弾は「和牛」がお得 JAタウン2025年8月20日
-
「令和7年8月6日からの低気圧と前線による大雨に伴う災害」農業経営収入保険の支払い期限を延長(続報)NOSAI全国連2025年8月20日
-
季刊『うかたま』創刊20周年記念キャンペーン開催 農分協2025年8月20日
-
サブサハラアフリカのリン欠乏水田でコメ増収を実現 国際農研2025年8月20日
-
TICAD9 農林水産省セミナー「国際共同研究が育む未来」開催 国際農研2025年8月20日
-
賃貸経営の悩みに応える「空室対策セミナー」初開催 ジェイエーアメニティーハウス2025年8月20日
-
鳥インフル ブラジルからの生きた家きん 輸入停止措置を解除 農水省2025年8月20日
-
持続可能な未来へ植物工場の可能性「第2回JPFA植物工場国際シンポジウム」開催2025年8月20日