農協改革フォローアップをー小泉氏が野村新部会長へ異例の「引き継ぎ書」2017年8月22日
自民党の農林関係合同会議が8月22日に開かれ、小泉進次郎前農林部会長と野村哲郎新部会長があいさつをした。小泉氏は前部会長として野村氏に13ページにわたる引き継ぎ書を手渡した。党の部会として異例のこと。農協改革の定期的なフォローアップなどを求めた。
(写真)小泉前部会長(左)から渡された引き継ぎ書を手にあいさつする野村新農林部会長
野村哲郎新部会長(参院鹿児島、当選3回)は「新鮮味のない部会長が誕生してみなさん驚いていると思うが当人がいちばん驚いている」と開会であいさつ。西川公也農林・食料戦略調査会長はTPP、日欧EPA、コメの30年産問題など課題が山積するなか、「うまくバトンタッチして日本の農林水産業がさらに発展できるよう先頭に立ってほしい」と期待した。
党の筆頭副幹事長に就任した小泉前部会長は2年前の平成27年10月に就任。初会合で「このなかでもっとも農業を知らない」とあいさつし、TPP対策を「農政新時代」と題してとりまとめた。その後、昨年からは政府の改革路線を受けて、全農改革を含む生産資材価格引き下げ、流通改革、輸出促進、GAPの普及など年末の農業競争力強化プログラムの取りまとめの議論を主導した。
小泉氏は「農政新時代の言葉どおり転換期だと思ってやってきた」と話したうえで、これまでに自民党の農林部会では異例となる「引き継ぎ書」を野村新部会長に手渡した。
そのなかで小泉氏は今後とも引き継がれる政策として▽農業者よりコスト意識をもった農業経営者を増やすことに力点を置く、▽農協あっての農家という発想ではなく農家あっての農協という意識で一円でも安く生産資材を農業者に提供し一円でも高く消費者から評価してもらえる農産物販売に努めることを徹底する組織として不断の改革を進めることなどを挙げたほか、全農などJAグループの自己改革については「平成31年5月までの改革集中期間推進中に既定の計画どおりに必要な取り組みが行われるように定期的にフォローアップするなども盛り込み、野村新部会長に「以上の視点を念頭に置いてリーダーシップを発揮してほしい」などと期待するとともに改革路線の継続を強調した。
野村新部会長は「(農林部会長の引き継ぎなど)13年間の議員生活で初めて。しかも13ページもあり大変詳しい。これが重荷になって明日からどうしようかという気もする」などと述べたが、「この2年は本当に大きな転換点だったと思う。小泉部会長が引かれた路線を継承していきたい」と述べ「農政新時代」を引き継ぐ考えを示した。
なお、部会長代理には小島敏文氏(衆院広島6区、当選2回)、藤井ひさゆき氏(衆院兵庫4区、当選2回)、山田俊男氏(参院全国比例、当選2回)が就任した。
(関連記事)
・【TPP】小泉進次郎農林部会長「TPP対策づくりは重責」(15.10.27)
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