乳用母牛の地域内貸し出しを支援-畜酪関連対策2018年12月14日
農林水産省は12月13日、31年度畜産酪農対策でALIC(農畜産業振興機構)による関連対策を決めた。地域の生産体制の強化対策として乳用繁殖雌牛を地域の酪農家に貸し出し乳用子牛を確保する取り組みなどを支援する対策を盛り込んでいる。
酪農生産基盤強化のための総合対策として、来年度は中小酪農の生産基盤維持・強化対策を拡充する。
具体的には飼養環境の改善(牛床マット、カウブラシ等)、暑熱ストレスの低減(細霧装置等)、地域の乳牛の継承、育成牛の地域内流通の促進(3.2万円/1頭)などに加え、つなぎ牛舎の牛床や繋留具等の改良(牛床の延長など)を支援する。
また、新たに「地域の生産体制の強化対策」を措置する。具体的には、離脱農家の施設などの経営資源を新規就農者などに円滑に継承できる仕組みの構築や将来にわたって持続可能な経営体を創出するための協業化の取り組みを支援する。
JAなどが取り組む後継牛バンクも支援する。酪農家が子牛を購入して後継牛を確保するだけでなく、繁殖雌牛を一定期間借りて子牛を生産、その後は別の酪農家がその雌牛を借りるというかたちで順次地域内で活用していく取り組みを行う際、雌牛を貸し出すJAなどの購入費用を支援するという(上限6.9万円/頭)。
酪農ヘルパー制度では、人材コンサルタントを活用してヘルパーの採用・定着の促進を図る取り組みへの支援も追加する。
肉用牛経営安定対策の補完事業では、優良な繁殖雌牛の導入支援(4万円/頭、高能力牛は5万円/頭)は経過措置を1年継続する。
畜産環境対策では家畜排せつ物処理施設の長寿命化対策を拡充する。▽施設の経年劣化の実態調査、▽地域の実情に応じた補修の実証、▽補修マニュアルの作成などを新たに支援する。また、畜産環境関連施設に対するリース貸付枠を拡大するとともに、家畜排せつ物処理施設・機械について、金利負担の軽減に加えて保証保険料、損害保険料を新たに支援する。
緊急対策として30年度災害対策を延長する。畜産農家の経営再開・継続に向けて、不足する粗飼料の購入支援や損壊した畜舎などの補改修など31年度も継続して実施することが必要な取り組みを支援する。災害などによる停電に備え非常用電源を地域で計画的に導入する取り組みも支援する。
酪農家の働き方改革では労働時間の効率的な低減のため、省力化機械装置の導入などを緊急対策として支援する。
(関連記事)
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