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2019.04.16 
日米TAG交渉開始 交渉範囲などを協議一覧へ

 茂木敏充経済再生担当大臣は4月15日(日本時間16日)から16日までの2日間の予定で、米国・ワシントンで米国通商代表部(USTR)のライトハイザー代表と日米物品貿易交渉(TAG)の初協議に臨み、現地からの報道では日本時間15日朝、初日の協議を終えた。

初会合に臨む茂木大臣(右)とライトハイザーUSTR代表

初会合に臨む茂木大臣(右)とライトハイザーUSTR代表
(USTRの公式ツイッターより)

 

 12日の記者会見で茂木大臣は、初協議では昨年9月の共同声明に沿って交渉を進める方針であることの確認と、物品貿易を中心に交渉対象分野を協議することが中心になるとの認識を示した。「お互いの意見を率直に交換することで双方の理解を深めたい」と述べるとともに、「どこまで議論が進展するか、やってみないと分からない。国益に沿ったいい成果が出せるようにしっかりと議論をしていきたい」と話した。
 米国のパーデュー農務長官は農業分野の先行合意を望んでいるとの発言が報じられているが、茂木大臣は会見で農務長官の発言を引用し、「要するに時間のかかることは除いて、できるだけ早く合意をしたいということ」、「まさに日米共同声明に沿った内容ではないかと思う」と強調した。
 昨年9月の日米共同声明(日本政府訳)では第3項で「日米両国は、所要の国内調整を経た後に、日米物品貿易協定(TAG)について、また、他の重要な分野(サービスを含む)で早期に結果を生じ得るものについても、交渉を開始する」としている。
 さらに第4項では「日米両国はまた、上記の協定の議論の完了の後に、他の貿易・投資の事項についても交渉を行うこととする」ことに合意した。
 この日米二国間交渉について米国側は「USJTA(US-Japan Trade Agreement)」と物品に限らず日米間の幅広い分野での通商交渉との位置づけだ。ただ、農水省によると米国は日本が「TAG」と略していることを「了解している」(国際部国際経済課)として交渉の定義に双方の食い違いはないとしている。
 共同声明の第5項では日米両国の立場を示し、それを両国政府が尊重することを記した。日本の立場は農林水産品について「過去の経済連携協定で約束した市場アクセスの譲許内容が最大限であること」としている。
 昨年9月の日米共同声明が合意された際には、「過去の経済連携協定」とはTPPを指すものとされたが、その後、日欧EPAも合意、2月には発効された。日欧EPAではソフト系チーズなどでTPP以上の譲歩をしているとの指摘もあり、TAG交渉での「過去の経済連携協定」は、TPP以上の譲歩を認めることを意味するのではないか、との懸念も出ていた。
 しかし、農水省によると日欧EPAのソフト系チーズの合意内容は単一品目ごとではなく、クリームチーズ、ブルーチーズなど対象品目全体として輸入枠数量と枠内税率の16年目無税を段階的に設定しており、関税削減にとどめたTPP協定と「比較は困難だ」としている。
 また、TPPでは「米」にTPP枠を設定したが、日欧EPAでは米は「除外」品目としたほか、「ホエイ」はTPPでは関税撤廃となったが、日欧EPAでは関税削減にとどめたことなどを挙げ「全体として日欧EPAがTPPを上回る譲許をしたものではない」として、TAG交渉で「TPP以上は譲れない」とする主張に整合性はあると指摘する。ただ、パーディ農務長官はTAG交渉でめざすものは「TPPと同じか、それ以上」と主張していると伝えられている。
 交渉で自動車を守るために農業が譲歩するのではないかと懸念もあるが
「あくまでも農林水産分野の(交渉の)責任を持つのは農水省」と強調する。

 

◇    ◇

 

 自民党は12日に「TPP・日EU・日米TAG等経済協定対策本部」、「TPP交渉における国益を守り抜く会」の合同会合開き、「今後の対米交渉に関する政府への申し入れ」を決議した。本文は以下のとおり。
【今後の対米交渉に関する政府への申し入れ】
(1)政府は昨年9月の日米共同声明を大前提に、米国との協議に臨み、同声明の内容を逸脱しないこと。また、合意は昨年9月の日米共同声明に沿ってフルセットで行われるべきであり、一部だけ取り出して行う部分合意は行わないこと。
(2)本交渉において政府は、与党の意向を十分にふまえ国益がしっかり守られるよう協議を進め、随時状況説明を行うなど、自由民主党TPP・日EU・日米TAG等経済協定対策本部及びTPP交渉における国益を守り抜く会と緊密に連携すること。
(3)農林水産品については、昨年9月の日米共同声明を大前提に、将来にわたって我が国の農林水産業の再生産を可能とする国境措置を確保する観点から、関税割当枠の数量等も含め、TPP11と合わせてTPP12を越えないものとすること。(4)自動車分野において、米国が自動車及び同部品に対し通商拡大法第232条に基づく追加関税を課す可能性があるな中で、毅然と交渉に臨み、安易な譲歩を行わないこと。
以上。

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