世界発!ナスの血圧改善効果を実証 ナス高機能化コンソーシアム2019年11月22日
信州大、北海道情報大、(株)ADEKAら共同研究グループが、世界で初めて、ナス由来の成分による血圧改善、気分改善効果を実証し、国際科学雑誌『Nutrients』で発表した。
ナス高機能化コンソーシアムの構成機関と協力機関。JA高知県も協力
国立大学法人信州大学の学術研究院(農学系)中村浩蔵准教授、学校法人電子開発学園北海道情報大学の西平順副学長らと(株)ADEKAは、日頃からストレスを感じているⅠ度高血圧者および血圧が高めの健常人(正常高値血圧者)を対象とした臨床試験(プラセボを用いた二重盲検ランダム化比較試験)により、ナス由来コリンエステルを含むナス搾汁粉末の継続摂取による血圧改善効果と気分改善効果を確認した。
この研究成果は、ナスの食品機能性を高水準の臨床試験で証明した世界発の成果で、2019年11月16日に、栄養学の分野で評価の高い国際学術誌『Nutrients』に掲載された。(Nutrients 2019,11(11),2797;https://www.mdpi.com/2072-6643/11/11/2797/htm)
この研究は、農研機構生物系特定産業技術研究支援センターの委託プロジェクトである、革新的技術開発・緊急展開事業(うち経営体強化プロジェクト)「新機能性成分によるナス高付加価値化のための機能性表示食品開発」で創出した研究成果の一部だ。
日本の農林水産業の国際競争力強化に向け、ナス栽培農家の所得向上という明確な開発目標をもち、栽培作物ではナスにだけ新機能性成分・コリンエステル※が豊富に含まれるという中村准教授の発見に基づいて、ナス生産者・企業・大学・研究機関がナス高機能化コンソーシアム(以下、コンソーシアム)を組んで、社会実装(実用化・普及)を視野に入れたナス・イノベーションに、平成29年度から3年間にわたり取り組んできた。
コンソーシアムには、ナス生産者として倉澤農園、研究機関として信州大学、北海道情報大学、農研機構、高知県農業技術センター、企業として(株)ADEKAのほか、(株)サラダコスモスが参画している。また、研究成果の普及とナス製品開発販売のために、安芸農業振興センター、JA高知県、三井食品工業(株)、島貿易(株)、(株)ウェルナスが協力機関として参加している。
コンソーシアムは、この研究成果をもとに、ナス由来コリンエステルを関与成分とする機能性表示食品(生鮮ナスおよびナス加工品・サプリメントなど)の開発を加速させ、製品化と販売を視野に、引き続き、官民学共同チーム一丸となって邁進するとしている。
(※)ナス由来コリンエステルとは、中村准教授が世界で初めて、食品機能性を明らかにしたナスに豊富に含まれる成分。中村准教授は2016年、ナスにコリンエステルが他の野菜の1000倍以上含まれることを発見。胃や腸など消化器官を介して自律神経に作用し、興奮を司る交感神経の活動を穏やかにすることで、血圧改善効果や気分改善効果などの機能を発揮すると考えられている。
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