「一世代で最も高い飢餓リスク」 強靭なグローバル食料安保へ緊密協力を G7広島サミット2023年5月22日
5月19日から21日まで開かれたG7広島サミットでは、世界の食料安全保障について「世界が一世代で最も高い飢餓リスクに直面している」と指摘し、すべての人々が食料にアクセスできる持続可能な食料システムの必要性を確認する「G7広島首脳コミュニケ」をまとめた。また、インドやブラジルなど招待国も含めて「強靭なグローバル食料安全保障に関する広島行動声明」も発表し、より強靭で持続可能な農業・食料システムをつくるために緊密に協力する重要性を確認した。
![20230520S50-03[1].jpg](https://www.jacom.or.jp/nousei/images/20230520S50-03%5B1%5D.jpg)
G7広島サミット(首相官邸ホームページより)
20日に発表した「G7広島首脳コミュニケ」では、「食料安全保障」について、「世界が一世代で最も高い飢餓リスクに直面し、食料安全保障及び栄養の状況が継続的かつ悪化していることを深く懸念する」とし、特にロシアのウクライナ侵略が、「グローバルな食料安保の危機を劇的に悪化させた」と指摘した。
そのうえで特にアフリカや中東の食料安保危機の影響を受ける脆弱な国や地域への支援の継続や、不当な貿易制限的措置を回避する重要性を改めて表明。また、一人ひとりが食料への安定的なアクセスを可能にすることが不可欠であるという見解を共有し、「包摂的で、強靭で持続可能な農業と食料システムの確立が急務であることを認識する」と強調した。
緊急支援や食料アクセス確保へ「広島行動声明」も
また、将来に向けたニーズに対応するためとして、G7にインドやブラジル、韓国など8つの招待国を加わった拡大会合を開き、「強靱なグローバル食料安全保障に関する広島行動声明 」もまとめた。
この中では、緊急の食料危機への対応として、2022年には2億5800万人が緊急食糧支援を必要としているとして、国際ドナーや民間部門のパートナーからの人道支援や開発支援資金の大幅な増加の提唱や、市場の安定に向けて公正で透明性のある国際貿易の促進などを盛り込まれた。
また、すべての人々のための強靭な食料安保と栄養の実現に向けて、「強靭で持続可能で、効率的かつ包摂的な食料システムを構築し、必要とする人々が手ごろな価格で安全かつ栄養がある食料と健康的な食事にアクセスすることを可能にするため、協働することをコミットする」と強調。飢餓ゼロの達成やすべての人々の食料アクセスの確保に向けて手を取り合って行動することを表明した。
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