積立金の保有水準引き上げへ 配合飼料価格安定制度で運用を改善 農水省2024年10月16日
配合飼料価格が急激に高騰した際に生産者や配合飼料メーカー、国が積み立てた基金から補てん金を支払う配合飼料価格安定制度について農水省は10月15日、運用改善の方向を示した。積立金の保有水準を引き上げ、財源不足とならないようとするなど来年度の事業開始までに見直す。
配合飼料価格安定制度は、生産者と配合飼料メーカーの積み立てによる「通常補てん」と、輸入原料価格が異常に高騰した際に国と配合飼料メーカーによる「異常補てん」で通常補てんを補完するという二段階の仕組みとなっている。補てんを実施する民間基金には全農系の全農基金、専門農協系の畜産基金、商系基金の3つがある。
ロシアのウクライナ侵攻や円安などで配合飼料価格が高騰し補てん金に発動が続いたため、2021年度から24年度までの業務計画期間の開始時に、3基金計で814億円と十分な積立金を保有していたが、それが枯渇、市中銀行から1200億円余りの借り入れを行っており、2031年度までかけて返済する計画となっている。
補てん額は2020年度第4四半期から3年間で5700億円となり、このうち国は補正予算や予備費で2100億円を措置したほか、民間基金の借り入れに利子補給も行っている。
こうしたなか改めて制度を見直すため農水省は今年2月に基金団体や生産者団体などを構成員とした配合飼料価格安定制度のあり方検討会を設置して議論してきた。
中間とりまとめでは現行制度の問題点と改善方向を示した。
現行制度は、民間基金の財源が不足した場合、補てん金を交付するためには市中銀行などから借り入れをするしかない。そこで「通常補てん」を行う民間基金の保有水準を引き上げること基本とする。現行制度は補てん額はそれぞれの基金で決定できるが、農水省は「各基金が足並みをそろえて補てんを行うこと」が基本としている。また、最小補てん単価(現行250円/t)の引き上げも実施する。
「異常補てん」は、現行では国が措置した額と同額を民間基金が積み立てなければ発動できない。そのため財源が不足すると借り入れをしなければ異常補てん金が交付できない。
これを今回の運用見直しでは、国と民間の負担割合は1:1とすることを維持し各基金が足並みをそろえて同一単価で補てんすることを基本ルールとしつつ、財源状況を加味して、不足する場合は各基金が補てん単価や借り入れの是非を判断できることとする。
そのほか補てんの上限単価設定については、国は設定を求めないが各基金の個別判断とする。
積み立て金の具体的な保有水準や補てんの上限額などの設定などは今後検討する。中間とりまとめを踏まえれば3基金で補てん水準が異なるケースも生じることになる。
農水省は検討会の最終的な結論ではなく、2025年度から新たな業務計画期間の開始が迫るなか、喫緊の課題を解決しなければ制度が持続しないとして「当面の間、この中間的総括に定める対応を行いつつ、その実効性を検証していく」としている。
◎3基金の当面の対応
〈借り入れによる財源確保〉
全農基金:借り入れをして満額補てん
畜産基金:借り入れをするか継続検討
商系基金:極力、借り入れをしない
〈上限補てん単価の設定〉
全農基金:設定しない
畜産基金:設定するか継続検討
商系基金:設定したい(水準は今後検討)
〈最小補てん単価の引き上げ〉
3基金とも引き上げたい
〈通常基金財源の保有水準〉
3基金とも引き上げたい。
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