農林補正予算8678億円 前年度比496億円増 共同利用施設合理化に400億円 農水省2024年11月28日
農林水産省は11月27日に開かれた自民党の総合農林政策調査会・農林部会合同会議に2024年度農林水産関係予算の額を示した。
自民党の総合農林政策調査会・農林部会合同会議
総額で8678億円と前年度補正予算より496億円多い。
共同利用施設の再編集約・合理化に400億円を措置する。新たな食料・農業・農村基本計画の着実な実施による農業の構造転換の実現に向け、老朽化した共同利用施設の再編集約・合理化に取り組む産地を支援する。
江藤農相は22日の会見で「30年、40年経ってしまった共同利用施設が非常に多く、効率的な農業を展開するには共同利用施設の再編と、同じところにまた作り直す、いくつかを統合した処理機能の上がったものを大規模で作るという考え方もあり、これらは合理化につながっていく」との考えを示しこの予算が補正予算の目玉だとした。
農水省によると補助率をかさ上げし国と県の補助で6割となるという。また再編だけでなく単一の施設の性能を増強して再び活用する場合も対象になると説明した。会合では共同利用施設の集荷量など稼働率を上げることが課題となるといった意見もあった。
農地集積・集約化、スマート農業技術の導入を米の生産コストの大幅な削減など生産性向上を図るため農地の大区画化を推進するため、水田の汎用化・畑地化などとともに760億円の予算内で支援する。
海外依存の高い麦、大豆、子実とうもろこしなどの導入と定着を図るため水田の畑地化や基盤整備の実施、作付けの団地化、集出荷施設の整備などを1349億円の予算額で支援する。
米粉の需要創出・利用促進対策として20億円を措置する。米粉の特徴を生かした商品開発・製造、製粉企業・食品製造事業者の施設・機器の導入、利用拡大に向けた情報発信などを支援する。
加工・業務用野菜の国産への切り替えに向けて、サプライチェーンの強化に資する複数産地と実需者との連携を推進するため、集出荷データの連携、栽培実証、機械導入などを支援する。6億円を措置する。
持続的な食料システムに確立に向け47億円を措置。食品製造事業者による産地連携、国産原材料の取扱量増加、生産性向上に向けた機械・新技術の導入などを支援する。
生産資材の国内代替転換などを進めるため、国産飼料生産・利用拡大緊急対策として133億円を措置する。青刈りとうもろこしなど飼料作物の持続可能な生産・利用に向けた地域モデルの実証、飼料生産組織の体制強化などを支援する。
乳用牛の長命連産性の高い牛群構成への転換やその能力を発揮するための適切な飼養管理の普及促進を支援する。50億円を措置する。
和牛の需要拡大緊急対策には前年度の3倍以上となる170億円を措置、物価高騰で需要が低迷していることを踏まえて食肉事業者が行う和牛肉の販売促進を支援する。
自民党の会合では「予算をしっかり執行することが大事だ」、「予算の政策効果の評価も行うべき」などの意見が出されたほか、「来年度当初予算をしっかり確保しなければならない」と複数の議員が強調した。
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